今の私はあるトラウマを持っています。他人から見ればほんの些細な事で、とてもくだらない話でしかないことは十分承知しています。それどころか、そんなトラウマを持っているなどと世間に知られたら、好奇と嫌悪の視線に晒され、これまでのものをすべて失ってしまうかも知れません。だからそんな事はおくびにも出さず常識的以上に常識的な社会人として私の周囲の人達からは厚い信頼を受けながら生活をしています。
これは天罰なのだと思っています。何故なら私が足を踏み入れたところは自然の世界とは相反する場所だったからだと思うからなのです。自然の摂理では男と女が巡り合い愛し合う。自然の流れとしてセックスをして子供を授かる。性的な欲情も快感も、これら自然な一連の行為から得られる恵みでありご褒美なのでしょう。だからとても満たされるのです。その満たされた心からは本物の多幸感が生まれ豊かな人生を送る事ができるのです。
だから昔から人間は色々とたしなめてきたのでしょう。様々な禁忌を作り人間が踏み入れてはいけない境界を明示してきたのです。
そしてその境界線を越えて禁忌の地に足を踏み入れた者の哀れな末路も。止まらない邪心と妄想。永遠に満たされる事のない渇望の果て。そんな世界にはまり込んで、コソコソと醜穢が歳を重ねたような餓鬼のような老人となって、心身の衰えとともに、その醜い腹の中も他人から見透かされるようになり忌み嫌われていく、その哀れな末路を。
その日、私はソドムの市民になったのです。
薄暗い路地で声をかけられた私はその男に誘われるまま近くのホテルに行った。男とそんなホテルに行くのははじめての事で、緊張でモタモタしていると「お前、もしかして素人なのか、売りのボーイじゃねえのか!」と男に言われた。この近辺はそういう場所だったのだ。「そうなのか、そりゃ儲けもんだ。俺についてきたってことはそういう事でOKなんだよな。」男はそんなことを言った。
当時の私は三十の少し手前だった。高校まではレスリングをやっていて、さすがに現役の時の肉体からはだいぶ衰えてはいたが、その名残りは十分あったのだろう、私が裸になった時の男の目が抑えきれない欲情に見開かれた瞬間を見逃がさなかったし、私も打ち震えてしまった。私が求めていたのはその目だった。
男はとても厳つく普通にすれ違ったりしたのなら誰もが目を逸らすようなタイプの人間だ。見た目は四十代半ばという感じで、スキンヘッドで筋肉質の硬太りといった具合である。体格は私の倍はあるのではと感じられる。「今日中に必ずそっちにいくからまってろ。当分こっちには戻れねえから、今から最後のお楽しみなんだ・・」と受話器に向かって凄んでいる口調はあきらかにあっち系の人間なのであろう。そして男が服を脱いだ時の背中の入れ墨をみてそれは確信に変わった。
「最後の最後にいい土産話ができたってもんだ。こんな素人のウブなヤツとデキるなんて何年ぶりた。小遣いはタップリくれてやる。思っきり楽しませて貰うとするか。」男は隠すことのない欲望を剥き出しにしながら私の全身を見回している。隅から隅みまで、品定めするかのような欲情に満ち溢れた卑猥な目であり顔付きである。あの路地で最初に声をかけられた時に感じた強烈に引き寄せられてしまったあの時の視線とまったく同じだ。その時から
私の体は全身が金縛りにあってしまったかのようになってしまったのだ。いつか見たあの夢のように逃れたくとも逃れることのできない官能の淵に追い込まれてしまったのだ。
「お前、本当に男ははじめてなのか?」何もしていないのにすでに勃起しはじめた私の性器を見て男は笑いながら言った。
「素人からおねだりされるようになったなんて俺もイイ男前になったなあ!気に入ったぜ、今日はトコトン可愛がってやるから期待してろ。まあ、まずは風呂からだ。」
このホテルは場所柄か男を前提としたアメニティがすべて揃えてある。まったくなんの知識もないままこの場にいる私は男のなすがままであった。浣腸をされたのも生まれはじめてであった。よくイチヂク浣腸と笑い話としては話題にしていたがはじめて実物をみた。立て続けに二本を注入され、「まだ駄目だ。」と
緊張と羞恥と経験したことのない腹の痛みに引きつった顔を男に見つめられたまま命令される。私の腹の中からこれまで自分でも聞いた事のないほどの大きな音がゴボゴボと鳴り響く。苦痛と羞恥だ。苦痛とプライドの戦いだ。ブッ!少しだけガスがもれる。男は大笑いをしながら「くっせー、早く出してこい!」と言う。私は全裸のまま浴室を飛び出しトイレに駆け込んだ。私の中から何かが完全に外れた。
浴室に戻ると男は洗い場の大きなイスに腰掛け強靭な筋肉に覆われた太ももを大きく開いていた。その中央には短いがとても太い男性器が硬直していた。「ま
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