読切小説
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ムスコ・息子4
<その夜>
息子が帰ってきた。
親父「すごい肉の量だな。お、お前、まさか、5,000円全部使ったんじゃないだろうな。」
息子『好きに買って来いって言ったじゃん。はい、おつり(254円)。いいじゃん、余ったら冷凍しておけば。』
親父「ま、そうだけどな。まあいっか、じゃ、焼くぞ。」
 一頻り楽しく焼肉を食べ酒を飲み、会話も弾んでいい感じになってきた。ちょっと、試しに聞いてみることにした。
親父「お前、30になったけど彼女とかいたっけか?」
息子『こうやって毎日毎日仕事一筋で働いているとなかなか出会う機会がないんだよなー。親父もビジネスマンだから解るだろう?』
親父「そりゃあ解らんでもないが、俺達が若かった頃は何かと合コンだのコンサートだの理由を付けては女の子達と遊んでたけどな。」
息子『時代が違うんじゃない。』
 冗談めいて
親父「お前、まさか、女じゃなくて男が好き、とかないよな。(笑)」
 流されるかと思ったが、驚いたことに息子が黙りこくって一点を見つめていた。
親父「おいおい、おい。どうしたどうした、深刻な顔して。」
息子『親父、昨日俺のパソコン見たと思うけど、俺、、、どうもそうらしい。』
 うわー、ついにきたーと思い、凡そ予想はついていたけど。
親父「どうもそうらしいって、何が?」
息子『だから、、、女より男の方に、、、、、、興味があるみたい。』
 俺も白々しくもあったが、
親父「男に興味があるって、どうして? いつから?」
 しばらく間があって、
息子『俺、知ってるんだ。昨日、スマホ観てたけど、あれ、ホモ動画だろ?』
親父「えっ?」
息子『それだけじゃない。パソコンで他の男とセンズリの見せ合いとかしてるだろ。親父、、ゲイだろ?ああ、結婚して子供もいるからバイかな。』
 バレない様にやっていたつもりだったが全て知られている。。全く、ぐうの音も出なかった。更に息子は、俺が風呂に入ったりシャワーを浴びたりしているところをちょいちょい覗いていたらしい。
親父「なんだ、知ってたのか。去年、会社の同僚にゲイバーに誘われて行ったんだよ。なんか、その辺りから俺も男に興味が出てきて、その同僚に誘われるがままにサウナや映画館とかにも行ったよ。」
ついにお互いの性的志向があからさまになってしまった。問題はこれから先、どうするかだ。
20/03/03 19:20更新 / キラキラ親父

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