連載小説
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ムスコ・息子2
何もまとまらず悶々としながらも夜が明けた。そして、翌朝の息子との会話の全容である。

息子『今日さぁ、コロナの関係でオフィスには行かなくてもいいんだけど、一件、どうしても得意先に行かなくちゃいけないんだ。準備もあるし、普通に出掛けるよ。でも、夕方早めには帰って来れるので、晩飯は一緒に食えそうだよ。』
 昨日は何事も無かったかの様なさりげない様子。
親父「俺は今日も在宅勤務。ずっと家にいるから何か作っとくよ。そうだな、久し振りに焼肉でもするか。」
 特に意味はなかったが何かしらキッカケを作りたかったのかもしれない。
息子『じゃあ、帰りに何か買ってこようか?』
親父「野菜はあるから、、よし、5,000円渡すから好きな肉買って来いよ。」
息子『わかった、任せといて。』
 財布から5,000円を取り出す時、俺のスマホがテーブルに転がり出た。二人は何とはなしにそのスマホを目で追った。すると、息子が、
息子『昨日、これでビデオ観てたよね。』
親父「ああ、あれは、、、まずいとこ見せちゃったな。申し訳ない。」
息子『いや、いいよ、センズリくらい。親父も一人が長いんだし。でも、玉でっかいし竿も太くて、いいなー、羨ましいよ。』
 驚いていたはずなのに結構観察しているな、と思った。
親父「そういうお前だって、いいもの持ってるじゃないか。」
息子『あ、そっか、俺も見られたんだっけ。てへっ、恥ずかしい。じゃ、行ってくるよ。』
親父「ああ。ちゃんとマスクするんだぞ。」
息子『うん、わかってる。』
 パソコンで観ていた動画の事を切り出そうかどうか迷ったが、いい雰囲気を壊すのが怖くて切り出せなかった。でも俺には息子が出掛けている間、一つの計画があった。
ムスコ・息子320/03/03 18:50

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