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対談
◇対談=開高健・淀川長治(キネマ旬報にて)



「淀川」 楽しみにしてました。
   開高さんが呼んでくれたので、どうしても来たくなったのね。
   一緒のお風呂に入りたくなっちゃう。
「開高」 ウハッ
「淀川」 一番好きなのがこういう顔なんです。
   まあるい顔でいかにも地蔵さんのような顔。
   こういう顔の人は優しくて、大好き。
   どこかの受賞式で私は初対面なのに開高さんにほっぺを・・・・
   そしたら奥さんが「淀川さん、私の主人をとらないで」って。
「淀川」 いい顔ねあんた。
「開高」 いやいや
「淀川」 あなたとおしゃべりすることで、
   私の人生の歴史にひとつの輝きができるんですから。
   私は日本の男性でこのぐらいタフで、
   このぐらいサッパリしていて、このぐらい好色的なくせに好色でなくて
   こんなん珍しいと思います。
「開高」 圧倒されますなあ。
「淀川」 あんた笑ったら可愛いらしいな。
「開高」 淀川さんはさすがは話術の達人、当代、稀な人、尊敬申し上げます。
「淀川」 この録音テープは大切にして僕の棺桶に入れてもらおう。 
22/04/27 08:02更新 /

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