読切小説
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3年振り(1)
北海道の田舎で暮らし、しかも既婚となると、殿方との楽しみは年に数回札幌まで足を伸ばしてハッテン宿に泊まる程度でした。40代は全国チェーンの会館、50代は老舗すぎる旅館でおっさん同士でまぐわってました。

しかし時代の流れで会館は廃業、旅館はコロナに負けて廃業で年配の集まるハッテン場は北海道には無くなってしまいました。自分自身もコロナ自粛の間に還暦を迎え掲示板でお相手探しするしかないのかなぁなんて思っても、お互いの思惑がなかなか一致せず時間だけ浪費して上手く行きませんでした。

そんな中行動制限がなくなり札幌に行く機会が訪れ、残るハッテン場を検索しました。エロ映画館は映写機の修理で休業中、サウナは明るい浴槽やサウナでヤルのはハードルが高く、残る所は60歳以上は入店出来ない所でした。

当日、お付き合いで軽く飲んだ事もあり、酒の力も借りて57、8に見えなくもないか、ダメなら諦めようと、60歳以上制限のお店に行きました。幸いな事になんの問題もなく入店出来ました。大昔に行った事はあって、当時は自分より若い人が多くて遠ざかっていたのですが、勝手は変わらず当時のままだったのでスムーズに入店、シャワーを浴びてタオル一枚で休憩室に落ち着けました。

そこそこの入店人数のようで、品定めに休憩室を覗く人達が絶えませんでした。ただ昔よりは年齢層が高くなった感じで、廃業した店舗からもお客さんが流れてるのもあるのかなと、少しは期待出来そうだとほくそ笑みました。前の席に座ってる親父さんなど明らかに年上でしたが、どうやら若者好きのようでまぁ仕方ないと思いながらも思ったほど還暦の自分が浮いていない事にホッとしていました。

ひとしきり落ち着いたので休憩室を出て二階の大部屋に行きました。ほぼ真っ暗なのでどこに誰か居るのかは見えないのですが、あちこちから溜息や喘ぎ声がしていて、“おおっ、やってるな。”と気分は盛り上がりました。とは言えもう少し目が慣れないとベッドの段差に足をぶつけたり、寝てる人の足を踏みつけたりするので、椅子なのかどうかわからないけど、ちょうどいい高さの段があったのでそこに座っていました。真っ暗とは言え不思議な赤い照明があり、目が慣れると人影は見えるようになって来ました。

まぁでも空気読めないジジィにはなりたくなくてしばらくは他人の営みを見学しながら誰かの手が伸びてくるのを待ってました。なかなか自分は出来なくても久しぶりのハッテン場で生で他人のセックスを眺めてるのも楽しめました。多分寝たふり中の長身の兄ちゃんの足元から近寄るムッチリ体型のこれまた兄ちゃん(あくまでシルエット)が、長身の兄ちゃんのタオルの上からチンポを触り、嫌がらないのを確認するとすぐさまタオルを剥ぎ取りチンポを尺り始めました。タオルは巻いているもののサイズの問題でこちらに向けているケツと穴は明るければ丸見えのはずでした。手を伸ばして穴をいじりたいとは思っても嫌がらせるとダメだと躊躇していると、隣で寝ていた人が起き上がり、ムッチリ兄ちゃんのケツを撫で始め、やがて穴に指をいれていました。

長身兄ちゃんはまだ寝たふりで、“横取られるよ。”と予想したのですが、硬くなったそのチンポがムッチリ兄ちゃんの好みだったのか、後からの人の解しをウケた穴を騎乗位で長身兄ちゃんのチンポに当てがい乗っかってしまいました。寝たふりのままの兄ちゃんの上で腰を振りながら、後からの人とキスしたり、チンポや乳首を舐められていました。結構激しい腰振りに絶頂が近づいたのか、寝たふり兄ちゃんも起き上がり対面騎乗位から正上位に体位を変えて、ラストスパートのよう。ムッチリ兄ちゃんが後からの人と抱き合いキスに夢中になっている間に、長身兄ちゃんは“うっ”言って抱き合う後からの人の背中に倒れ込みました。

しばしの余韻の後、長身兄ちゃんはチンポを引き抜き、そさくさと離れていってしまいました。長身兄ちゃんが離れるとムッチリ兄ちゃんはキスをやめて、後からの人のチンポを尺り出しました。このまま待っていたら自分も掘れるかなとは思ったのですが、久しぶりに肌を感じれたら良い程度でアナルまで想定していなかったので、オイルやゴムを持ち合わせていなく、見ているだけで二人の種が入っている所に生で入れるのは諦めて、二人のセックスは見届けず、休憩室にまたタバコを吸いに戻りました。

入店してから小一時間、日付は変わろうとしていたけど、自分のセックスはもう少し先でした。早く帰らないとホテルがもったいないのですが、そんな事はどうでも良く思えました。
23/01/17 16:46更新 / TK

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