揺れる心4
休みの日の午後、いつもな感じの普段着で家を出た。それぞれ昼食を済ませた後の時間帯であったが、手ぶらでいくのもアレなので途中でビールだけ買って行くことにした。飲まなくても湯川さんへのお土産でいいし。
ドアを開けると俺に会いたいと言っていた人は既に来ている様で靴が一足揃えてあった。どこかで見た様な見ない様な靴だったが、まあ気にせず上がっていった。リビングのドアを開けながら、
俺 『こんにちはー、お元気ですかー。』 と言って部屋に入って行った。
と、その時、俺は愕然とし凍りついた。スーツ姿のその人は、な、な、なんと、彼だった。。。湯川さんは、
湯川 『やあ、こんにちは。ん、松田さん、どうかした?』 俺の表情に気付いたのだろう。
俺 『あ、いえ。こちらが普段着なのにお客さんがスーツなので、ちょっと、ビックリしただけです。。』 辛うじて切り抜けた。
湯川 『ああ、そんなこと。気にしないで。こちらとある会社の専務さんで佐藤さん。で、こちらが友達の松田さん。』
佐藤 『佐藤と申します。初めまして。今日はご足労いただき、ありがとうございます。』
表情一つ変えず、しかも初対面の設定を決め込んできた。
俺 『あ、こちらこそ初めまして。しがない設計士をやっております松田といいます。』 なら、こちらも初対面設定、受け入れてやろうじゃないの。ただ、彼は俺が部屋に入ってからずーっと俺の目を睨みつけるかの様に凝視していた。その瞳の奥で何かを訴えるかの様に。
湯川 『佐藤さんもどうされました? さっきまでの感じと違って、妙に真剣な顔されて。。』
佐藤 『あ、いや、なに。松田さんでしたっけね、あまりにもイメージしていた通りの方なので逆に驚いています。』
俺 『湯川さん、こちらが私に会いたい、と言っておられた方ですよね。どういう、、、経緯、、なんでしょうね??』
湯川 『いえね。佐藤さんとは1年位前からかな、仕事でお付き合いするようになって、時々、ここで打ち合わせのMTGをやるんですよ。で、仕事の合間の雑談の時にね、松田さんとの出来事、こうこうこういうい感じの人がいてワクチン接種の事や清水さんとの事を世間話として話した訳ですよ。あ、もちろん、松田さんの名前は言ってませんよ。そしたら佐藤さん、妙ーにその話に食いついてきてですね、挙句の果てに会いたいと言い出したんです。で、松田さんは感じの良い人だし、清水さんとも仲良くなったし、友達は多い方がいいかなって思って、じゃあ聞いてみますね、ということで今日に至った訳です。』
えええええーーーーっ!!!あの事、彼に話したってことーーーっ!!!俺、まだ話してないのにぃーーー!!
俺より先に他の人から聞いたら、俺が後ろめたさがあって隠してたみたいじゃん!って、まあ、隠してたけど。。。その内言うつもりだったのに。。。そりゃ、俺だって10年くらいの長い付き合いの間、他の男性と絡んだことはなくもなかったけど、、その度に彼に話していて、彼からは、「ヒー坊は若いから元気だな、あはははは。」 とさらりと笑い飛ばしてくれていたのだった。あ、俺は松田浩なので彼からはヒー坊と呼ばれていた。彼は正則なので”マサ”と呼んでいる。彼は完全なウケで俺からは呼び捨てにして欲しいということでマサと呼んでいた。 心の中の動揺は抑えつつ、
俺 『え? あのような話しが出来るってことは、こちら、佐藤さんもこちらの方でお仲間さん?』 ちょっとしらばっくれた。
湯川 『そうだったんですよ。。。ね、佐藤さん。』
俺 『ということは、湯川さん、佐藤さんともそういう関係で?』
湯川 『え、まあ、、そんな感じですかね、へへへ。いえね、松田さんと知り合ってから3,4ヶ月したくらいの頃に佐藤さんがね、最近、付き合ってる彼が会ってくれなくなったので寂しいんですよ、って言うので、そうなんですか、私で宜しれば・・・ということで、体の関係になっちゃいました、はは。』
えええええーーー、そーなんだ!!!やっぱり彼は寂しかったんだ。御免ね。なんか、隠したまま会うのは憚られてしまって。。彼のあの瞳の奥の訴えはそういうことだったのか。。。その時、湯川さんの電話が鳴り、湯川さんは台所で話していた。その間、我々は無言でお互いを見つめていた。
湯川 『ああああー、お二人さん、申し訳ない。今日届くはずのお客さんからの書類が何かの手違いで市内の営業所留めになっていて、配達するなら明日になるとか言うので、ちょっと、今から取りに行ってきます。どうしても、今日中には必要なんですよ。』
俺 『あ、でも、湯川さん、ビール飲んじゃってますよね。』
湯川 『幸い、乾杯の一口だけだし、マスクもしてるし、大丈夫でしょう。40分くらいで帰ってきますから! あ、佐藤さん、奥にあるTシャツと短パン、使ってください。ゆっくりしててください!すみませんー。。。』 と言って出て行った。
二人っきりになった我々は微妙な空気の中、何となく間が持たない感じになってきたので、
俺 『湯川さん、スーツで来た人には決ってあの着替えのセットを貸し出すみたいですね。着替えたらどうですか?』 何となく丁寧語になった。
佐藤 『そうだな、借りようかな。』
スーツの上着はソファの脇に掛け、窓際にいって自分のシャツを脱ぎ、ズボンも脱いで丸まった背中でパンツ一丁になった後ろ姿を見たら、もう、居ても立ってもいられなくなり、泣きじゃぐりながら後ろから抱き付いて、
俺 『マサーーー!!! ごめんねー! ごめんよー! ごめん、、ごめん、寂しかったよねー。俺もだよー。マサーッ!!!』
佐藤 『ヒー坊ー! 会いたかったぞー!!!』
彼も同じ気持ちだった様で直ぐさま俺を受け入れてくれて、こっちに向き直り、がっしりと抱き合った。そして、10年分の思いを込めた様な熱い熱いキスをした。キスをしながら俺は服を脱ぎ全裸になった。こういう状況にも関わらず、残り時間は30分というのが頭にあった。彼はキスを止め、胸、ヘソと下り、膝まづいて俺のチンポをしゃぶった。いつもながらの彼の絶妙な舌のテクニックで俺のチンポは直ぐにフル勃起した。もう少しゆっくりと舌の感触を味わっていたかったが、気持ちは焦っていたので、そのまま彼を仰向けにしパンツを剥ぎ取り、指でお尻の穴を広げた。床の上で少々固い”ベッド”ではあったが、彼は両足を広げて投げ出し、俺はゆっくりと彼の中へ入っていった。お互いにアァーーーと声を漏らし、互いの感触を体で感じていた。俺は奥深くまでチンポを入れ、そのまま彼の上に倒れ込んで抱き付き、キスを求めた。全身で彼を感じながら、段々と腰の振りが大きくなっていった。久し振りのセックスに我々はアァッ、アァッ、と声を出しながら没頭していった。と、ここで、彼をひっくり返しワンワンスタイルにさせ、今度はバックから攻めた。さっきとは違って今度はチンポを亀頭まで出したり入れたり激し目に腰を使った。俺のキンタマが彼のキンタマに当たる度に彼は、アンッ、アンッ、アンッ、と喘いだ。程なく佳境に近づいた俺は、いくよーっ、と声を掛けると、フィニッシュは正常位がいいらしく、彼はくるっと回って態勢を整えた。俺は再び挿入し、ガタイのいい彼は少々の力ではビクともしないのでガンガン掘り続けた。彼はただただ、アッ、アッ、アンッ、と喘いでいた。とうとう俺は絶頂がきて、マサーーーッ!!!と叫びながら彼の腹に倒れ込む様にしながらフンッ、フンッ、フッ、と彼の中に射精した。彼もオオオオオーッと叫びながら俺の放出を受け止めた。
ちょっと間を置いて、お互い笑顔で見つめ合い、また、キスをした。なかなかない凄いシチュエーションでのセックスに俺は、
俺 『なんか、こういう場所で、すっごい興奮しちゃったね!』 と言うと、彼は大きな声で、あははははっ、と笑った。
とはいえあまり余裕はない。我々の持ち合わせのありったけのティッシュとちょっとだけトイレットペーパーを頂戴し、身体と少し床にこぼれた体液を綺麗に拭き取った。そそくさと服を着て、掃除したティッシュの束は俺のカバンに詰め込んだ。冷蔵庫にあったチーズをテーブルに置いて、ビールをつぎ足し、会話を続けていた体を装ったところで丁度湯川さんが戻って来た。
湯川 『いやー、すみませんでしたね。車も空いてて良かったですよ。あれ、お二人、話ししてただけですか? 何か、もっと別の事で盛り上がっているのかと思ってましたが。。』 ニヤリと意味ありげに言った。
俺 『あ、チーズ戴いてます。って、何言ってんですか、家主がいない部屋でエッチなんか出来ませんよ。ねー、マ、あ、佐藤さん!』
と彼に助けを求めたが、すかさず湯川さんが、
湯川 『え? 誰もエッチなどとは一言も言ってないですよ。(笑)』 意地悪げに笑った。
彼は苦笑していたが、俺は顔が真っ赤になったに違いない。バレたんだかどうなんだか分からなかったが、彼が、
佐藤 『湯川さん、ありがとうございました。松田さんといろいろと話しが出来て、これからも時々お会いできそうで。皆さん、ゴルフをされるんでしょ?是非、ご一緒させてくださいよ。私、下手なんですけど好きなんです、ゴルフ。』
我々の事はしばらく湯川さんには内緒にしておこうと話し合ったのだった。俺も無断でワクチンの時の事や清水さんとの事を人に話した湯川さんに嫌いではないのだが、どこかで仕返ししてやりたかった。
湯川 『ああ、もちろんです。前に話した清水さんという方もゴルフされるので、この際、皆一緒にやったらどうでしょう。松田さん、スケジュール調整が大変かもしれないけどお願いできる?』
俺 『やりますよ、やりますよ。タイトリスト3番の名に懸けて。』
佐藤 『タイトリストの3番?』
俺 『あ、いや、何でもないです。忘れてください。。。』
彼との蟠りがなくなって気持ちがすっかり楽になったので、ちょっと、有天頂になっていた。
そんなこんなで、彼は折角来たのだからちょっと仕事の話しをしてから帰る、とのことで俺は先に帰る事になった。ヒョンなことから彼に湯川さんとの事がバレ、でもその後に彼との蟠りも解け、全て順調にいくように思えた。が、湯川さんも清水さんも相変わらずいい人でタイプであり、揺れる心はまだまだ続くのだろうか。。。
ドアを開けると俺に会いたいと言っていた人は既に来ている様で靴が一足揃えてあった。どこかで見た様な見ない様な靴だったが、まあ気にせず上がっていった。リビングのドアを開けながら、
俺 『こんにちはー、お元気ですかー。』 と言って部屋に入って行った。
と、その時、俺は愕然とし凍りついた。スーツ姿のその人は、な、な、なんと、彼だった。。。湯川さんは、
湯川 『やあ、こんにちは。ん、松田さん、どうかした?』 俺の表情に気付いたのだろう。
俺 『あ、いえ。こちらが普段着なのにお客さんがスーツなので、ちょっと、ビックリしただけです。。』 辛うじて切り抜けた。
湯川 『ああ、そんなこと。気にしないで。こちらとある会社の専務さんで佐藤さん。で、こちらが友達の松田さん。』
佐藤 『佐藤と申します。初めまして。今日はご足労いただき、ありがとうございます。』
表情一つ変えず、しかも初対面の設定を決め込んできた。
俺 『あ、こちらこそ初めまして。しがない設計士をやっております松田といいます。』 なら、こちらも初対面設定、受け入れてやろうじゃないの。ただ、彼は俺が部屋に入ってからずーっと俺の目を睨みつけるかの様に凝視していた。その瞳の奥で何かを訴えるかの様に。
湯川 『佐藤さんもどうされました? さっきまでの感じと違って、妙に真剣な顔されて。。』
佐藤 『あ、いや、なに。松田さんでしたっけね、あまりにもイメージしていた通りの方なので逆に驚いています。』
俺 『湯川さん、こちらが私に会いたい、と言っておられた方ですよね。どういう、、、経緯、、なんでしょうね??』
湯川 『いえね。佐藤さんとは1年位前からかな、仕事でお付き合いするようになって、時々、ここで打ち合わせのMTGをやるんですよ。で、仕事の合間の雑談の時にね、松田さんとの出来事、こうこうこういうい感じの人がいてワクチン接種の事や清水さんとの事を世間話として話した訳ですよ。あ、もちろん、松田さんの名前は言ってませんよ。そしたら佐藤さん、妙ーにその話に食いついてきてですね、挙句の果てに会いたいと言い出したんです。で、松田さんは感じの良い人だし、清水さんとも仲良くなったし、友達は多い方がいいかなって思って、じゃあ聞いてみますね、ということで今日に至った訳です。』
えええええーーーーっ!!!あの事、彼に話したってことーーーっ!!!俺、まだ話してないのにぃーーー!!
俺より先に他の人から聞いたら、俺が後ろめたさがあって隠してたみたいじゃん!って、まあ、隠してたけど。。。その内言うつもりだったのに。。。そりゃ、俺だって10年くらいの長い付き合いの間、他の男性と絡んだことはなくもなかったけど、、その度に彼に話していて、彼からは、「ヒー坊は若いから元気だな、あはははは。」 とさらりと笑い飛ばしてくれていたのだった。あ、俺は松田浩なので彼からはヒー坊と呼ばれていた。彼は正則なので”マサ”と呼んでいる。彼は完全なウケで俺からは呼び捨てにして欲しいということでマサと呼んでいた。 心の中の動揺は抑えつつ、
俺 『え? あのような話しが出来るってことは、こちら、佐藤さんもこちらの方でお仲間さん?』 ちょっとしらばっくれた。
湯川 『そうだったんですよ。。。ね、佐藤さん。』
俺 『ということは、湯川さん、佐藤さんともそういう関係で?』
湯川 『え、まあ、、そんな感じですかね、へへへ。いえね、松田さんと知り合ってから3,4ヶ月したくらいの頃に佐藤さんがね、最近、付き合ってる彼が会ってくれなくなったので寂しいんですよ、って言うので、そうなんですか、私で宜しれば・・・ということで、体の関係になっちゃいました、はは。』
えええええーーー、そーなんだ!!!やっぱり彼は寂しかったんだ。御免ね。なんか、隠したまま会うのは憚られてしまって。。彼のあの瞳の奥の訴えはそういうことだったのか。。。その時、湯川さんの電話が鳴り、湯川さんは台所で話していた。その間、我々は無言でお互いを見つめていた。
湯川 『ああああー、お二人さん、申し訳ない。今日届くはずのお客さんからの書類が何かの手違いで市内の営業所留めになっていて、配達するなら明日になるとか言うので、ちょっと、今から取りに行ってきます。どうしても、今日中には必要なんですよ。』
俺 『あ、でも、湯川さん、ビール飲んじゃってますよね。』
湯川 『幸い、乾杯の一口だけだし、マスクもしてるし、大丈夫でしょう。40分くらいで帰ってきますから! あ、佐藤さん、奥にあるTシャツと短パン、使ってください。ゆっくりしててください!すみませんー。。。』 と言って出て行った。
二人っきりになった我々は微妙な空気の中、何となく間が持たない感じになってきたので、
俺 『湯川さん、スーツで来た人には決ってあの着替えのセットを貸し出すみたいですね。着替えたらどうですか?』 何となく丁寧語になった。
佐藤 『そうだな、借りようかな。』
スーツの上着はソファの脇に掛け、窓際にいって自分のシャツを脱ぎ、ズボンも脱いで丸まった背中でパンツ一丁になった後ろ姿を見たら、もう、居ても立ってもいられなくなり、泣きじゃぐりながら後ろから抱き付いて、
俺 『マサーーー!!! ごめんねー! ごめんよー! ごめん、、ごめん、寂しかったよねー。俺もだよー。マサーッ!!!』
佐藤 『ヒー坊ー! 会いたかったぞー!!!』
彼も同じ気持ちだった様で直ぐさま俺を受け入れてくれて、こっちに向き直り、がっしりと抱き合った。そして、10年分の思いを込めた様な熱い熱いキスをした。キスをしながら俺は服を脱ぎ全裸になった。こういう状況にも関わらず、残り時間は30分というのが頭にあった。彼はキスを止め、胸、ヘソと下り、膝まづいて俺のチンポをしゃぶった。いつもながらの彼の絶妙な舌のテクニックで俺のチンポは直ぐにフル勃起した。もう少しゆっくりと舌の感触を味わっていたかったが、気持ちは焦っていたので、そのまま彼を仰向けにしパンツを剥ぎ取り、指でお尻の穴を広げた。床の上で少々固い”ベッド”ではあったが、彼は両足を広げて投げ出し、俺はゆっくりと彼の中へ入っていった。お互いにアァーーーと声を漏らし、互いの感触を体で感じていた。俺は奥深くまでチンポを入れ、そのまま彼の上に倒れ込んで抱き付き、キスを求めた。全身で彼を感じながら、段々と腰の振りが大きくなっていった。久し振りのセックスに我々はアァッ、アァッ、と声を出しながら没頭していった。と、ここで、彼をひっくり返しワンワンスタイルにさせ、今度はバックから攻めた。さっきとは違って今度はチンポを亀頭まで出したり入れたり激し目に腰を使った。俺のキンタマが彼のキンタマに当たる度に彼は、アンッ、アンッ、アンッ、と喘いだ。程なく佳境に近づいた俺は、いくよーっ、と声を掛けると、フィニッシュは正常位がいいらしく、彼はくるっと回って態勢を整えた。俺は再び挿入し、ガタイのいい彼は少々の力ではビクともしないのでガンガン掘り続けた。彼はただただ、アッ、アッ、アンッ、と喘いでいた。とうとう俺は絶頂がきて、マサーーーッ!!!と叫びながら彼の腹に倒れ込む様にしながらフンッ、フンッ、フッ、と彼の中に射精した。彼もオオオオオーッと叫びながら俺の放出を受け止めた。
ちょっと間を置いて、お互い笑顔で見つめ合い、また、キスをした。なかなかない凄いシチュエーションでのセックスに俺は、
俺 『なんか、こういう場所で、すっごい興奮しちゃったね!』 と言うと、彼は大きな声で、あははははっ、と笑った。
とはいえあまり余裕はない。我々の持ち合わせのありったけのティッシュとちょっとだけトイレットペーパーを頂戴し、身体と少し床にこぼれた体液を綺麗に拭き取った。そそくさと服を着て、掃除したティッシュの束は俺のカバンに詰め込んだ。冷蔵庫にあったチーズをテーブルに置いて、ビールをつぎ足し、会話を続けていた体を装ったところで丁度湯川さんが戻って来た。
湯川 『いやー、すみませんでしたね。車も空いてて良かったですよ。あれ、お二人、話ししてただけですか? 何か、もっと別の事で盛り上がっているのかと思ってましたが。。』 ニヤリと意味ありげに言った。
俺 『あ、チーズ戴いてます。って、何言ってんですか、家主がいない部屋でエッチなんか出来ませんよ。ねー、マ、あ、佐藤さん!』
と彼に助けを求めたが、すかさず湯川さんが、
湯川 『え? 誰もエッチなどとは一言も言ってないですよ。(笑)』 意地悪げに笑った。
彼は苦笑していたが、俺は顔が真っ赤になったに違いない。バレたんだかどうなんだか分からなかったが、彼が、
佐藤 『湯川さん、ありがとうございました。松田さんといろいろと話しが出来て、これからも時々お会いできそうで。皆さん、ゴルフをされるんでしょ?是非、ご一緒させてくださいよ。私、下手なんですけど好きなんです、ゴルフ。』
我々の事はしばらく湯川さんには内緒にしておこうと話し合ったのだった。俺も無断でワクチンの時の事や清水さんとの事を人に話した湯川さんに嫌いではないのだが、どこかで仕返ししてやりたかった。
湯川 『ああ、もちろんです。前に話した清水さんという方もゴルフされるので、この際、皆一緒にやったらどうでしょう。松田さん、スケジュール調整が大変かもしれないけどお願いできる?』
俺 『やりますよ、やりますよ。タイトリスト3番の名に懸けて。』
佐藤 『タイトリストの3番?』
俺 『あ、いや、何でもないです。忘れてください。。。』
彼との蟠りがなくなって気持ちがすっかり楽になったので、ちょっと、有天頂になっていた。
そんなこんなで、彼は折角来たのだからちょっと仕事の話しをしてから帰る、とのことで俺は先に帰る事になった。ヒョンなことから彼に湯川さんとの事がバレ、でもその後に彼との蟠りも解け、全て順調にいくように思えた。が、湯川さんも清水さんも相変わらずいい人でタイプであり、揺れる心はまだまだ続くのだろうか。。。
22/06/07 08:27更新 / 誠