連載小説
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冷えゆく情炎、晩夏の閉幕
私が入院している間、徳さんはお見舞いもなく、連絡の1つもありませんでした。
退院してから私が部屋に戻ったら、徳さんの服など私物はありましたが、部屋に帰ってきてるという形跡は全くなく、私が連絡をしても音信不通になっていました。
どうやら私がいない時に、サウナへ毎日通っていたら、やっぱりそこでモテるという事実に気づき、私よりもタイプな方を見つけてそこにずっと泊まっていたようでした。

後々知ったのですが、徳さんはサウナも実は行ったことがあり、そこで見つけたタイプの人のところへ寄生するかのようにしていたそうでした。
余りにも遊び過ぎたことが原因で、サウナからも出禁を食らっていたようで、ほとぼりが冷めるまで掲示板で活動していたという訳でした。
私の方には何事も初めてで...という感じで近づいてきていましたが、実際には色んな人に手を出していたという方だったんです。
私は『やっぱりか』という思いがあったので、さほど悲しくはありませんでしたが、渡していた合鍵を返してくれなかったので、そのために連絡を延々としていたのですが、徳さんの中ではイケオジに縋りつくように見えていたんでしょうか。

何回か電話をかけてやっと出たと思ったら、徳さんの現在の彼氏さんだったようで、その方に『私の彼氏に何の用事でしょうか?何度も電話をかけてきて迷惑してます』と言われ、私は事情を説明して合鍵を返して欲しいだけですと伝えたら。
普通であれば送りますくらいの一言はあると思うのですが、相手の方からは『それなら鍵を変えればいいだけなのでは?』といった口ぶりだったんです。
その費用を私が自己負担しないといけないんでしょうか?送るという作業の方がよっぽど楽だと思うのは私だけなんでしょうか。

そこで電話をブツ切りされ、私は徳さんの地元の住所等も知っていたので、メールでそちらの方に返却依頼を出してもいいですか?と徳さんに送ったら、翌日に徳さんとその相手は私の家に現れて、合鍵を投げつけるように返されました。
きっと徳さんという人物は元々からこういう人だったんでしょうね。
私は何処かでまだ裏切られていないという思いがどこかにあったと思い、まだ綺麗に別れた方がお互いに何処かで会っても後腐れがないと思っていました。
だけどもそういう気持ちを全て仇で返されたので、部屋に残っていた徳さんの私物は全て徳さんの家の方に送りました。
中には男性同士の雑誌やエッチがグッズもあったので、それらも同封し、徳さんが週末はこっちに来てるというのは知っていたので、週末に届くように送りました。

私には徳さんは田舎で寂しく1人暮らしをしているという情報しかなかったんですが、実際には奥さんもいたということは前々から気づいていました。
後日送られた荷物を確認した奥さんとは喧嘩になり、私には徳さんから発狂したメッセージが届いてましたが、先に一線を越えてしまったのは徳さんの方なので、私は悪いと思ったことはこれっぽっちもありません。
別の日にサウナで自称徳さんの彼氏さんと遭遇しましたが、私を見るなりコソコソと逃げていかれたので、彼も私に対して何かしらの罪悪感があったのか、また彼も既婚者であったので私にバラされると思ったのかは不明です。

そんなことがあり、また私は1人になっていましました。
ようやく私と心から付き合える相手と巡り合えたという思いもあったんですが、今回はさすがに疲れてしまいました。
私は誰かと付き合える権利は最早ないのかもしれませんし、私が関わったせいで不幸になってしまう人もいるのではないか?と思うようなって、私はサウナに通うことすら辞めようと思いました。
26/05/18 18:55更新 / 杉山浜沢
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