第5話 露天温泉
山間の温泉街に着いたのは昼少し過ぎたころだった。
今日宿泊する宿の駐車場に車を停めてあたりをぶらり探索する。もちろん太郎とふたり。
坂道の多い曲がりくねった狭い旧道の両側には老舗旅館や土産物屋が窮屈に並んでいる。
太郎の興味はいま特産品にあるようだ。地元のまんじゅうに温泉たまご、そして蒸しパンやクッキーに至るまで目を輝かせる。
「太郎食いすぎ。宿の飯食えなくなるぞ」
「ああ、別腹だから大丈夫だよ」
腕に土産物屋の袋を下げて嬉しそうに蒸しパンを頬張る太郎。
「あっ!」
太郎が指さした店は小物やアクセサリーを扱う雑貨店だ。その店先に吊るされたTシャツに目が止まる。
「これどう?」
白地にタヌキらしきかわいい動物の絵が描かれている。太郎はくくくっと声をころして肩で笑う。
「勘弁してくれ」笑
友人のタカシから貰ったクマのTシャツ。偶然か必然なのか太郎とお揃いで、太郎がウチに泊まりにくるとそれを着させられる。デザインは俺が好きで選んだんだから文句はないが、ふたりで着ているとどうにもいたたまれない。そしてそんな俺を見て楽しんでいる太郎。
宿にもどる途中にあった民芸品の店に入る。正直部屋に飾るようなものではないが手作りの木工作品が並ぶこの空間で地元の雰囲気を愉しむ。他の土産物の店とは違い客が無くしっとりと静かだ。これもいい。
俺たちが店の中程あたりまで入っていくと奥の暖簾《のれん》を上げて恰幅のいい60歳くらいのオヤジが現れた。愛想よく笑う顔が童顔でかわいらしい感じ。地元の温泉効果か肌艶がものすごくきれいで頬がつやつや。
オヤジは俺たちに時々視線を向けるがあえてなにも言わずに店の隅に立ってニコニコしている。そのオヤジが気になる太郎。…… 太郎くんオヤジ見すぎ。笑
俺は木製のコースターを見せながら太郎のひじを引っ張って気をそらせる。すると太郎はハタと気付いて顔を赤らめる。まったく…… 笑
「今日来られたんですか?」
そんなことをしているとその店のオヤジが声をかけてきた。
「あ、ええ」
「どこにお泊まりで?」
「○○旅館です」
「そうですか。じゃあ温泉もこれからで?」
「そうですね。この後宿に帰ってゆっくりと」
「そうですか」
オヤジは相変わらずの笑顔で二人を交互に視線を流した。この歳の離れすぎた男ふたりをどんなふうに見ているのか。
すると太郎が尋ねる。
「他にも温泉めぐりみたいなのがしたいんですけど、どこか良いところありますか? できれば人の少ない静かなところとかがいいんですけど」
「そうですねえ。この坂の上に公衆温泉がありますけど、いつも混んでますからねえ。あとは…… 昔ね宿屋が造った簡易の温泉場がいまも残ってて、どうかなあ、使えるとは思うんですけどね。でも狭いし景観もあまりよくないんでねえ」
「へえ。そこってどこにあるんですか?」
「ここを少し下ったところに川が流れていて、その近くに小さな建物があります。そこです」
「何時までやってるんですか?」
「いえいえ誰もいませんよ。河原に掘った露天温泉の横に小さな脱衣小屋があるだけでいつでも入れますけど。でも夜だと照明がないんで灯りになるものを持っていかないと真っ暗ですよ」
「そうなんだあ」
「まあ、人は滅多に来ませんけどね」
そう言ってオヤジは頬を膨らませて笑った。
旅館にもどり宿の温泉で汗を流してそれから夕食を済ませるともう夜も深まって昼間の喧騒がなつかしい。
宿に言って懐中電灯を借りて教えてもらった温泉場に向かった。
遅くまで開いている土産物屋もポツポツと途絶えてその道の先は月明かりだけの山道になった。
「太郎ほら見てみな」
「ん?」
大きな月が遠くにあって周りには都会では見れない無数の星々が渦巻いて見えた。
太郎が俺の手を握った。
俺は空を眺めたままでいた。
太郎も無言だった。
恋人同士のように手を繋いで歩く感動をふたりで温めた。
道の脇に川床温泉と手書きされた木片があった。この下に温泉があるようだ。
脇道の小さな階段を下りると小屋が見えた。たしかに屋根に衝立の木の板を取り付けただけの簡易脱衣所だ。しかも手入れがされていないようで風雨にさらされて端々が朽ちているところもある。
中を懐中電灯で照らすと棚が取り付けられているのが見えた。
「あれ? 誰か来てる」
その棚に洋服が丸めて置いてある。小屋の外を見ると向こうに明かりが灯っているのが見える。ぼんやりとした橙の灯りに温泉の湯煙が沸き立っている。
俺は太郎と顔を見合わせつつ服を脱いで温泉へと向かった。
河原の丸い石で組んだ小さな湯船が一つあった。そしてそこに大きな背中の男がひとり湯に浸かっている。
「やあ、来られましたか」
それはここを教えてくれた民芸品店のオヤジだった。
オヤジはざあっと音をたてて立ち上がると縁《ふち》の石に腰掛けて股間をタオルで隠した。
「どうも」
「やっぱり明かりが無いと危ないんでね。お教えしたのはいいんですけど、ちょっと心配になりましてね。ははは」
組んだ石の上にランタン型のLEDライトが置かれている。かなりの光量で温泉のそのあたり一帯を照らしている。
「じゃあわたしは帰りますんで、お帰りになるときにこの照明は小屋の棚の上に置いておいてください」
オヤジはそう言って湯から出ようとした。
「もう帰るんですか」
少し驚いて太郎がオヤジを見た。
「ええ。ごゆっくり」
「いいじゃないですか。なにかお急ぎで?」
俺は少し離れて湯に浸りながらオヤジを見た。
「いえいえ。お二人のお邪魔になりますから」
「えっ」
なんとなくそういう空気が流れると太郎と目を合わせた。
「はは。太郎、俺たちのことバレてるみたいだぜ」
「あはあ」
太郎の顔がなんだか赤い。
「お店ですごく仲良くされてたんでね。まあ見る人が見れば分かりますよね」
「えっ、というと……」
「まあ、わたしもそういう男ですから。(笑)お店に入って来られたときすごくかわいい人だなあって見惚れてしまいました」
「太郎、かわいいってさ」
「わっ」笑
「ああ、すみません。べつに変な目で見てたわけじゃないんですけど」
俺はオヤジと反対側の縁に寄って湯に浸かったままそばに流れる岩底の川の水を眺めてそれとなく二人の話を聞いていた。
「もう少し一緒にどうですか」
太郎はオヤジの座る石組の縁に近づいた。湯面から見上げるオヤジのふっくらと出た腹は桃色に色づき長い間湯に浸かっていたことを想像させた。身体にまとった湯気が灯りに照らされて、すべすべの表皮を輝かせている。
「ああ、ええ。でも……」
「いいじゃないですか。ね」
「そうですか……」
オヤジは股間に掛けたタオルの位置を整えると改めて縁の石に座り直した。普通サイズのタオルだが大きくゴツい腰を隠しきれず、太郎の目の前でいやらしくオヤジの包茎チンポがタオルの下から少し見えている。
オヤジはそれを少し気にしてタオルの上から股間に手を置いた。
「お二人はもう長いんですか? お付き合いされてから」
「まだ付き合ってるかどうかも微妙なんですけどね」
「ああ、そういう時期ってありますよね。でもお二人すごくお似合いだと思いますよ」
「はは、そうかなあ」
「ええ。ほんとに羨ましいですよ。わたしならあなたみたいなかわいい男、離しませんよ」笑
岩の淀みで渦を巻く水流の音が涼やかに聞こえる。
「こいつ若いでしょ。まだまだ遊びたい盛りでね」
「遊びたいっていうか……」
「あらら。それじゃあ他の人とも?」
「えっ、いやあ」
「そうなんです。だから他の男とヤってもいいよって言ってるんですよ」
「そ、そうなんですか! すごいですね。彼氏さんのこと信用されてるんですね。わたしなら嫉妬してしまいますね、きっと」
オヤジは丸っこい手でぎゅっと股間を押さえると大きな下半身をくねらせて座り直した。
太郎はその小さな変化を見逃さない。
「どうしても他の男の人とヤりたくなったらヤってもいいよって言われてるんですけど、でも」
「でも?」
「ヤるんだったら隠れてやるな。俺の前でヤれって言うんですよ。それって信用されてるのかなあ」笑
「へっ、へええ。そ、それは……」
「変でしょ?(笑)でもマジなんです」
オヤジはこのおかしな話に困惑しながらも身体を揺らして股間を強く押さえた。湯に浸かっている太郎の目の前でゆっくりとオヤジの包茎チンポがタオルの下で膨らんでいくのが見えている。
俺は二人に背を向けたまま川の流れを静かにながめる。
オヤジは太郎の視線が自分のタオルの下にあることを感じつつも、その熱くなったものをどうしたものかと思案しているようだ。
「でもそれから他所《よそ》ではハッテンしてないんです」
「へえ。そうなんですか」
太郎が湯に浸かったままオヤジの股の下に身体を寄せる。
「うん。なんか全然そういう気にならないっていうか」
「へ、へえ……」
「最初はね、見られながら他の人とそういうことするなんてって思ったんだけど、ヤってみたら…… なんていうか」
「えっ、ヤってみたんですか?」
「うん。ヒロさんの見てる前で」
「えええ。最後まで?」
「そう。ケツマンコにチンポズボズボされちゃって」
「彼氏さんの見てるところで!?」
太郎はオヤジの股ぐらに近づくと掛かっているタオルをゆっくりと取った。
「うん。生チンポで」
「は、はああ」
オヤジのチンポは太く硬く上を向き、皮からむけ出てきた亀頭がテカテカと光沢を見せている。
「なんていうか、すっげえ興奮しちゃって」微笑
「そ、そうです、ね。た、たしかに興奮する、かも、しれ、ああああ!」
太郎はオヤジの勃起したチンポを咥えると強く吸引した。
グチュッ、ボチュッ、グチュッ、ボチュッ。
チンポから口を離すと透明の糸を引いた。
「オレおとうさんみたいな人好きです」
「あああ、ほ、ほんとに?」
オヤジは俺の背中をチラチラと気にしながらも太郎を引き寄せ、顔を近づけると小さな声でささやいた。
「わたしもすごくタイプなんです。本当はね、あなたの裸が見たくってここに来たんですよ」
それを聞いた太郎、縁に腰掛けているオヤジの前で立ち上がり、すでにビンビンに勃起したチンポをしごいて見せた。
「見てください」
「す、すごいね。エッチだね。エッチな身体だね」
オヤジも自分のチンポをしごきながら太郎の身体を舐めるようにながめた。太郎は音を立てて激しくチンポをしごきながら乳首をつまんだり穴に指を這わせたりしてオヤジを悦ばせた。
「もっと見てほしい」
太郎は湯から上がるとオヤジの横で仰向けに寝転び、脚を開いて見せた。
「あああ、だ、大丈夫? 彼氏さん怒らない?」
「うん。もっと見て」
太郎はガチムチの身体をうねらせて腰を上げた。
「わあああ、す、すごいね。マンコまで見えちゃったよ」
太郎は近づいて見ているオヤジの手をとってケツ穴に触れさせた。
「あああ、ヌルヌルだね。ゆ、指入りそう」
「ケツマンコにローション入ってるんです」
「彼氏さんとするつもりだったの?」
「うん。でも」
「…………」
「挿れてほしい」
「あああ」
「おとうさんのチンポ挿れてほしい」
「彼氏さんは? 訊かなくていいの?」
「うん。あああ、ここ。ここにチンポください」
「あああ、す、すごいね。指3本入るんだね」
オヤジは太郎の股のあいだに身体を寄せるとモリモリと膨らんだ太いチンポを握って腰を前に突き出した。
「ああ、チ、チンポほしい。それ挿れてほしい」
「あああ、ほ、ほんとに、ほんとに入っちゃうよ。ねえ、いいの」
「あはああ。こ、ここに」
「ああああ、先ついちゃったよ。おマンコにチンポついちゃった」
「そ、そのまま。そのまま挿れて」
「い、いくよ。挿れるよ。…… あ、あああ。はああああ」
「わあああああ、は、は、入っ」
「す、すご、いいい」
「も、もっと! もっと奥まで! もっと奥まで突っ込んで」
「ああっ」
「はあああ。お、おとうさんの、ああああ、おとうさんのチンポおっきくて気持ちいいです」
「た、太郎くんのおマンコも、はああ、す、すごっく気持ちいいですよ」
「ああ、あああ。ズボズボやって! おもいっきりチンポズボズボやって」
「あああ、も、もう。す、すごいいい。ああああ」
「あんっ! あんっ! あんっ! はあんっ!」
「ふんっ! ふんっ! ふんっ! ふんんっ!」
「あっはあ! あんんっ! ああんっ! き、き、きんもちいい! あああああ。チュウ! チュウして! チュウして!」
「ううんっ! うんっ! ううんっ! ぱあああ! か、かわいい! 太郎くん、かわいい。ふんっ! ふうんっ! ふうんっ!」
「あんっ! あんっ! あんっ! あんっ!」
「も、もう。もう出そう。です」
「あああ、はあああ。出して! いっぱい! 出して!」
「ああ、あああ、い、いきそ!」
「い、いや! 抜かないで! そ、そのまま!」
「へっ!? へえええ! ああああ。出ちゃう出ちゃう! あああ!」
「あっ!」
「うっ! うっ! うっ! ううっ! ううんん」
「あっ! わっ! す、すごっ! ああっ! い、いっぱい! わっ! はあああ、熱っ! わあっ!」
「…………」
「はあ、はあ、はあ、はあ」
「もう一回だけ、チュウしてもいい?」
「うん」
ランタンの薄明かりに湯気立った二人の裸が絡み合って夜の暗闇に浮かび上がっていた。
オヤジが帰った後も太郎は床に寝転んだまま満天の星を眺めていた。
「気持ちよかった?」
俺はそんな太郎の大きな身体に重なった。
「興奮しちゃった」
「これは?」
俺の勃起したチンポを太郎に握らせた。
「おとうさんの種マンに挿れてほしい」
オヤジの置いていったランタンの明かりで、それからゆっくりと太郎のケツマンコを愉しんだ。
つづく
今日宿泊する宿の駐車場に車を停めてあたりをぶらり探索する。もちろん太郎とふたり。
坂道の多い曲がりくねった狭い旧道の両側には老舗旅館や土産物屋が窮屈に並んでいる。
太郎の興味はいま特産品にあるようだ。地元のまんじゅうに温泉たまご、そして蒸しパンやクッキーに至るまで目を輝かせる。
「太郎食いすぎ。宿の飯食えなくなるぞ」
「ああ、別腹だから大丈夫だよ」
腕に土産物屋の袋を下げて嬉しそうに蒸しパンを頬張る太郎。
「あっ!」
太郎が指さした店は小物やアクセサリーを扱う雑貨店だ。その店先に吊るされたTシャツに目が止まる。
「これどう?」
白地にタヌキらしきかわいい動物の絵が描かれている。太郎はくくくっと声をころして肩で笑う。
「勘弁してくれ」笑
友人のタカシから貰ったクマのTシャツ。偶然か必然なのか太郎とお揃いで、太郎がウチに泊まりにくるとそれを着させられる。デザインは俺が好きで選んだんだから文句はないが、ふたりで着ているとどうにもいたたまれない。そしてそんな俺を見て楽しんでいる太郎。
宿にもどる途中にあった民芸品の店に入る。正直部屋に飾るようなものではないが手作りの木工作品が並ぶこの空間で地元の雰囲気を愉しむ。他の土産物の店とは違い客が無くしっとりと静かだ。これもいい。
俺たちが店の中程あたりまで入っていくと奥の暖簾《のれん》を上げて恰幅のいい60歳くらいのオヤジが現れた。愛想よく笑う顔が童顔でかわいらしい感じ。地元の温泉効果か肌艶がものすごくきれいで頬がつやつや。
オヤジは俺たちに時々視線を向けるがあえてなにも言わずに店の隅に立ってニコニコしている。そのオヤジが気になる太郎。…… 太郎くんオヤジ見すぎ。笑
俺は木製のコースターを見せながら太郎のひじを引っ張って気をそらせる。すると太郎はハタと気付いて顔を赤らめる。まったく…… 笑
「今日来られたんですか?」
そんなことをしているとその店のオヤジが声をかけてきた。
「あ、ええ」
「どこにお泊まりで?」
「○○旅館です」
「そうですか。じゃあ温泉もこれからで?」
「そうですね。この後宿に帰ってゆっくりと」
「そうですか」
オヤジは相変わらずの笑顔で二人を交互に視線を流した。この歳の離れすぎた男ふたりをどんなふうに見ているのか。
すると太郎が尋ねる。
「他にも温泉めぐりみたいなのがしたいんですけど、どこか良いところありますか? できれば人の少ない静かなところとかがいいんですけど」
「そうですねえ。この坂の上に公衆温泉がありますけど、いつも混んでますからねえ。あとは…… 昔ね宿屋が造った簡易の温泉場がいまも残ってて、どうかなあ、使えるとは思うんですけどね。でも狭いし景観もあまりよくないんでねえ」
「へえ。そこってどこにあるんですか?」
「ここを少し下ったところに川が流れていて、その近くに小さな建物があります。そこです」
「何時までやってるんですか?」
「いえいえ誰もいませんよ。河原に掘った露天温泉の横に小さな脱衣小屋があるだけでいつでも入れますけど。でも夜だと照明がないんで灯りになるものを持っていかないと真っ暗ですよ」
「そうなんだあ」
「まあ、人は滅多に来ませんけどね」
そう言ってオヤジは頬を膨らませて笑った。
旅館にもどり宿の温泉で汗を流してそれから夕食を済ませるともう夜も深まって昼間の喧騒がなつかしい。
宿に言って懐中電灯を借りて教えてもらった温泉場に向かった。
遅くまで開いている土産物屋もポツポツと途絶えてその道の先は月明かりだけの山道になった。
「太郎ほら見てみな」
「ん?」
大きな月が遠くにあって周りには都会では見れない無数の星々が渦巻いて見えた。
太郎が俺の手を握った。
俺は空を眺めたままでいた。
太郎も無言だった。
恋人同士のように手を繋いで歩く感動をふたりで温めた。
道の脇に川床温泉と手書きされた木片があった。この下に温泉があるようだ。
脇道の小さな階段を下りると小屋が見えた。たしかに屋根に衝立の木の板を取り付けただけの簡易脱衣所だ。しかも手入れがされていないようで風雨にさらされて端々が朽ちているところもある。
中を懐中電灯で照らすと棚が取り付けられているのが見えた。
「あれ? 誰か来てる」
その棚に洋服が丸めて置いてある。小屋の外を見ると向こうに明かりが灯っているのが見える。ぼんやりとした橙の灯りに温泉の湯煙が沸き立っている。
俺は太郎と顔を見合わせつつ服を脱いで温泉へと向かった。
河原の丸い石で組んだ小さな湯船が一つあった。そしてそこに大きな背中の男がひとり湯に浸かっている。
「やあ、来られましたか」
それはここを教えてくれた民芸品店のオヤジだった。
オヤジはざあっと音をたてて立ち上がると縁《ふち》の石に腰掛けて股間をタオルで隠した。
「どうも」
「やっぱり明かりが無いと危ないんでね。お教えしたのはいいんですけど、ちょっと心配になりましてね。ははは」
組んだ石の上にランタン型のLEDライトが置かれている。かなりの光量で温泉のそのあたり一帯を照らしている。
「じゃあわたしは帰りますんで、お帰りになるときにこの照明は小屋の棚の上に置いておいてください」
オヤジはそう言って湯から出ようとした。
「もう帰るんですか」
少し驚いて太郎がオヤジを見た。
「ええ。ごゆっくり」
「いいじゃないですか。なにかお急ぎで?」
俺は少し離れて湯に浸りながらオヤジを見た。
「いえいえ。お二人のお邪魔になりますから」
「えっ」
なんとなくそういう空気が流れると太郎と目を合わせた。
「はは。太郎、俺たちのことバレてるみたいだぜ」
「あはあ」
太郎の顔がなんだか赤い。
「お店ですごく仲良くされてたんでね。まあ見る人が見れば分かりますよね」
「えっ、というと……」
「まあ、わたしもそういう男ですから。(笑)お店に入って来られたときすごくかわいい人だなあって見惚れてしまいました」
「太郎、かわいいってさ」
「わっ」笑
「ああ、すみません。べつに変な目で見てたわけじゃないんですけど」
俺はオヤジと反対側の縁に寄って湯に浸かったままそばに流れる岩底の川の水を眺めてそれとなく二人の話を聞いていた。
「もう少し一緒にどうですか」
太郎はオヤジの座る石組の縁に近づいた。湯面から見上げるオヤジのふっくらと出た腹は桃色に色づき長い間湯に浸かっていたことを想像させた。身体にまとった湯気が灯りに照らされて、すべすべの表皮を輝かせている。
「ああ、ええ。でも……」
「いいじゃないですか。ね」
「そうですか……」
オヤジは股間に掛けたタオルの位置を整えると改めて縁の石に座り直した。普通サイズのタオルだが大きくゴツい腰を隠しきれず、太郎の目の前でいやらしくオヤジの包茎チンポがタオルの下から少し見えている。
オヤジはそれを少し気にしてタオルの上から股間に手を置いた。
「お二人はもう長いんですか? お付き合いされてから」
「まだ付き合ってるかどうかも微妙なんですけどね」
「ああ、そういう時期ってありますよね。でもお二人すごくお似合いだと思いますよ」
「はは、そうかなあ」
「ええ。ほんとに羨ましいですよ。わたしならあなたみたいなかわいい男、離しませんよ」笑
岩の淀みで渦を巻く水流の音が涼やかに聞こえる。
「こいつ若いでしょ。まだまだ遊びたい盛りでね」
「遊びたいっていうか……」
「あらら。それじゃあ他の人とも?」
「えっ、いやあ」
「そうなんです。だから他の男とヤってもいいよって言ってるんですよ」
「そ、そうなんですか! すごいですね。彼氏さんのこと信用されてるんですね。わたしなら嫉妬してしまいますね、きっと」
オヤジは丸っこい手でぎゅっと股間を押さえると大きな下半身をくねらせて座り直した。
太郎はその小さな変化を見逃さない。
「どうしても他の男の人とヤりたくなったらヤってもいいよって言われてるんですけど、でも」
「でも?」
「ヤるんだったら隠れてやるな。俺の前でヤれって言うんですよ。それって信用されてるのかなあ」笑
「へっ、へええ。そ、それは……」
「変でしょ?(笑)でもマジなんです」
オヤジはこのおかしな話に困惑しながらも身体を揺らして股間を強く押さえた。湯に浸かっている太郎の目の前でゆっくりとオヤジの包茎チンポがタオルの下で膨らんでいくのが見えている。
俺は二人に背を向けたまま川の流れを静かにながめる。
オヤジは太郎の視線が自分のタオルの下にあることを感じつつも、その熱くなったものをどうしたものかと思案しているようだ。
「でもそれから他所《よそ》ではハッテンしてないんです」
「へえ。そうなんですか」
太郎が湯に浸かったままオヤジの股の下に身体を寄せる。
「うん。なんか全然そういう気にならないっていうか」
「へ、へえ……」
「最初はね、見られながら他の人とそういうことするなんてって思ったんだけど、ヤってみたら…… なんていうか」
「えっ、ヤってみたんですか?」
「うん。ヒロさんの見てる前で」
「えええ。最後まで?」
「そう。ケツマンコにチンポズボズボされちゃって」
「彼氏さんの見てるところで!?」
太郎はオヤジの股ぐらに近づくと掛かっているタオルをゆっくりと取った。
「うん。生チンポで」
「は、はああ」
オヤジのチンポは太く硬く上を向き、皮からむけ出てきた亀頭がテカテカと光沢を見せている。
「なんていうか、すっげえ興奮しちゃって」微笑
「そ、そうです、ね。た、たしかに興奮する、かも、しれ、ああああ!」
太郎はオヤジの勃起したチンポを咥えると強く吸引した。
グチュッ、ボチュッ、グチュッ、ボチュッ。
チンポから口を離すと透明の糸を引いた。
「オレおとうさんみたいな人好きです」
「あああ、ほ、ほんとに?」
オヤジは俺の背中をチラチラと気にしながらも太郎を引き寄せ、顔を近づけると小さな声でささやいた。
「わたしもすごくタイプなんです。本当はね、あなたの裸が見たくってここに来たんですよ」
それを聞いた太郎、縁に腰掛けているオヤジの前で立ち上がり、すでにビンビンに勃起したチンポをしごいて見せた。
「見てください」
「す、すごいね。エッチだね。エッチな身体だね」
オヤジも自分のチンポをしごきながら太郎の身体を舐めるようにながめた。太郎は音を立てて激しくチンポをしごきながら乳首をつまんだり穴に指を這わせたりしてオヤジを悦ばせた。
「もっと見てほしい」
太郎は湯から上がるとオヤジの横で仰向けに寝転び、脚を開いて見せた。
「あああ、だ、大丈夫? 彼氏さん怒らない?」
「うん。もっと見て」
太郎はガチムチの身体をうねらせて腰を上げた。
「わあああ、す、すごいね。マンコまで見えちゃったよ」
太郎は近づいて見ているオヤジの手をとってケツ穴に触れさせた。
「あああ、ヌルヌルだね。ゆ、指入りそう」
「ケツマンコにローション入ってるんです」
「彼氏さんとするつもりだったの?」
「うん。でも」
「…………」
「挿れてほしい」
「あああ」
「おとうさんのチンポ挿れてほしい」
「彼氏さんは? 訊かなくていいの?」
「うん。あああ、ここ。ここにチンポください」
「あああ、す、すごいね。指3本入るんだね」
オヤジは太郎の股のあいだに身体を寄せるとモリモリと膨らんだ太いチンポを握って腰を前に突き出した。
「ああ、チ、チンポほしい。それ挿れてほしい」
「あああ、ほ、ほんとに、ほんとに入っちゃうよ。ねえ、いいの」
「あはああ。こ、ここに」
「ああああ、先ついちゃったよ。おマンコにチンポついちゃった」
「そ、そのまま。そのまま挿れて」
「い、いくよ。挿れるよ。…… あ、あああ。はああああ」
「わあああああ、は、は、入っ」
「す、すご、いいい」
「も、もっと! もっと奥まで! もっと奥まで突っ込んで」
「ああっ」
「はあああ。お、おとうさんの、ああああ、おとうさんのチンポおっきくて気持ちいいです」
「た、太郎くんのおマンコも、はああ、す、すごっく気持ちいいですよ」
「ああ、あああ。ズボズボやって! おもいっきりチンポズボズボやって」
「あああ、も、もう。す、すごいいい。ああああ」
「あんっ! あんっ! あんっ! はあんっ!」
「ふんっ! ふんっ! ふんっ! ふんんっ!」
「あっはあ! あんんっ! ああんっ! き、き、きんもちいい! あああああ。チュウ! チュウして! チュウして!」
「ううんっ! うんっ! ううんっ! ぱあああ! か、かわいい! 太郎くん、かわいい。ふんっ! ふうんっ! ふうんっ!」
「あんっ! あんっ! あんっ! あんっ!」
「も、もう。もう出そう。です」
「あああ、はあああ。出して! いっぱい! 出して!」
「ああ、あああ、い、いきそ!」
「い、いや! 抜かないで! そ、そのまま!」
「へっ!? へえええ! ああああ。出ちゃう出ちゃう! あああ!」
「あっ!」
「うっ! うっ! うっ! ううっ! ううんん」
「あっ! わっ! す、すごっ! ああっ! い、いっぱい! わっ! はあああ、熱っ! わあっ!」
「…………」
「はあ、はあ、はあ、はあ」
「もう一回だけ、チュウしてもいい?」
「うん」
ランタンの薄明かりに湯気立った二人の裸が絡み合って夜の暗闇に浮かび上がっていた。
オヤジが帰った後も太郎は床に寝転んだまま満天の星を眺めていた。
「気持ちよかった?」
俺はそんな太郎の大きな身体に重なった。
「興奮しちゃった」
「これは?」
俺の勃起したチンポを太郎に握らせた。
「おとうさんの種マンに挿れてほしい」
オヤジの置いていったランタンの明かりで、それからゆっくりと太郎のケツマンコを愉しんだ。
つづく
■作者メッセージ
読んでいただきありがとうございます。
評価、感想いつもありがとうございます。
まだ、もう少し続きそうです。
評価、感想いつもありがとうございます。
まだ、もう少し続きそうです。