大学教授の好奇心

24時間営業のサウナ付きカプセルホテルに泊まる。

週末、得意先から直帰する時よくここを利用していたがここ数年来ることがなかったから少しそわそわする。

一通りサウナを満喫したあと休憩ルームでビールを飲む。久しぶりだなこの感じ。

一旦寝床に潜って時間をつぶす。疲れてるとそのまま寝てしまうこともあるけれど、24時間サウナの醍醐味はこれからなのだ。今日はまだまだ寝れそうにない。

深夜2時すぎ。いびきの響くカプセル群を出て再びサウナへ。

誰もいない。

このホテルへ来るといつもこれくらいの時間にサウナに入る。ほぼ人はいない。いてもじっとシャワーに頭を突っ込んでいる酔っぱらいくらい。

そうしてこの静まり返ったサウナで同種の男を待つのだ。

しかし毎度この時間に男と出会うということはない。いままでも数回に一度あるかないか。それでもこのシチュエーションがたまらない。この公共の場でのいけない感情をむき出しにできる僅かな時間。

軽くシャワーを浴びてサウナ室へ。やはり誰もいない。

この人のいないサウナ室や洗い場の隅でヤったこともある。他人の目がないからお互い大胆になりケツを掘ったりしたこともある。この時間ここにくる同種の男はやりたくてしかたがない野郎ばかりだ。ガチムチのモテ筋がこんなオヤジにでも少々の妥協でケツ穴を向けたりする。

そんな思いにふけってるとサウナ室の扉が開いてかっぷくのいい男が入ってきた。

清潔感のある短めの髪にはちらほらと白いものが混じってる。年の頃なら60前後といったところか。肌艶がよく湯で桃色に染まって汗がはじけて飛んだ。

一瞬目が合う。男は小さく会釈して向かいに座った。一緒に入ってきた空気が一気に湯気となって辺りに立ち込めた。

タオルで股間を覆いじっと下を向いて目を閉じている男。太い首筋からなだらかに盛り上がった肩から大きくがっしりとした二の腕から、ふくよかにそして張りのある分厚い肉体がものすごく美しくいやらしい。

膨らんだお腹にしたたり落ちる汗。やがて流れて股間の影に消える。タオルの外にはみ出した陰毛は思いの外黒々としていて白毛はちらほら。

どっしりとした太ももに両手をついて熱さに耐えている様子。しかしそのうつむく男の表情は見えない。

同種の男か、それともノンケなのか。この久々に訪れた幸運に感謝しつつとても悩ましい。どっちだ……。

よほど暑いのかついた足を踏みなおし「はあ」と言ってより股間を開く男。ひざに掛けたタオルがたるみを無くして左右に引っ張られると向かいに座る俺から股間の奥が丸見えになった。



デッカいチンポ。勃起しているわけではないがだらんと太い竿がしなだれてその先から半分皮に隠れた亀頭が見えている。さっきしたたり落ちて腹を伝って消えていった汗がそのチンポの先端に到達してぽったりぽったりと床を濡らしている。

や、やばい! こっちが勃ってきた。しかしまだこの男の正体が判別できていないぞ。やばいやばい。

俺は「あっつう」とつぶやきつつ上半身を倒してタオルの上から股間を押さえた。

男がこっちを見た。頭を少し上げて上目づかいに俺の顔を見ると今度は押さえている股間をじっと見た。……わっ見つかったか!?

すると男はおもむろに上体を起こし背筋を伸ばして「はああ」っと息を吐いた。表情が穏やかで口元が柔らかくしまっていて微笑を漂わせている。

「あついですね」

男が話しかける。

「あ、ああ。そうですね」

不意をつかれて慌てる俺。

「人の出入りがないから余計に熱い」

的確な状況判断にどう答えていいかわからない。

「あなた、ゲイの方ですか?」

わっ! な、なんてストレートなっ!

「えっ! はっ!? えーっと……」

俺は腰を浮かせてしどろもどろ。こんなこと言われたの初めて! すぐに立ち上がってサウナを出ようと……。

「ああ、いえいえ。別にいいんですよ。ごめんなさいね。驚かせて」

俺は中腰のまま勃起したモノを強く握りしめて男を見た。

「いえね、よく間違われるんです、わたし。こんなデブのどこがいいのかそういう方にときどき声をかけられたりするんですよね」

「はあ……」

「ほら、あなたも」

そういう男の視線が俺の股間に移って俺もつられて見る。強く握ったタオルがチンポの形になって盛り上がっている。

「あっ! あれっ、あらら、いやああ」

「昔っから男色といえば、文献では若い綺麗な男性が対象だといわれてますけど、わたしみたいな…… ねえ。どうなんでしょう」

なんだなんだ……? それにしても他に人がいたらきっと黙ってサウナを飛び出していただろう。

俺は浮かせた腰を戻して息をついた。

「そんなにわたし、男性から見て魅力的なんでしょうか? 一度こういう機会があったら聞いてみたかったんです」

「い、いやあ。どうなんだろう…… ぼくは別に……」

「あれっ、ゲイの方じゃないんですか!? あらら、すいません」

「えっ、ああ、えーっと。いや、あのお」

「わたしを見てチンポ大きくされてたんでてっきり…… でもまだビンビンですけど、チンポ。そのチンポって元からその大きさのチンポなんですか?」

チンポチンポって…… 勃っちゃうじゃないか! わ、わざと言ってるだろっ!

「わたしそういう偏見は全くないんでおっしゃっていただいても」

「な、なにをですか?」

「だからあなたがゲイだってこと」

「ま、まあ。どうなんでしょうか…… そんな感じですかね」

「そうですか。よかった! やっぱりそうだったんですね」

「よかった、ですか?」

「ええ。ずっと聞いてみたいことがあったんで。わたし大学で人類学の研究をしてまして、まあ文化系民俗学なんですけど」

「はあ。先生ですか」

「それで…… やっぱりわたしはあなたから見るとセックスの対象になり得るんでしょうか?」

「セ、セックスって…… ま、まあ、そうですね」

「へええ。どういうところがですか?」

「どういうところって言っても…… まあ全体的に」

「もう少し具体的だといいんですが」

「そうですね。そのふくよかな身体ですかね。大きな肩に厚みのある胸。ピンクがかった乳首が少し突き出ているのもいやらしい…… あ、いや、良いです」

「たしかに。おっぱいは女性みたいですもんね」

「い、いや、そういうことじゃないんですけど」

「違うんですか?」

「ぼくは男の胸が好きなんです」

何を言ってるんだ俺は。

「どう違うんだろう……」

「男らしく太っていて内側にある胸の筋肉を感じさせる豊かなボリュームにむらむらっとしてしまうんです」

「はあ。こういう場所でも、ですか?」

「いつでもどこでも」

「いつでも…… いまでも?」

「もちろん。あなたの目の前に裸の女性が大股開いて笑ってたらどうですか?」

「わあ、そ、そうですね。そりゃ大変だ」

「でしょ?」

「でも女性のように男も感じるんでしょうか、乳首?」

「ええ。そりゃそうですよ」

「本当ですか? わたしはこうして触っても何も感じないですけどね」

「そりゃ自分ではなかなかわからないもんですよ」

「そうなんですかね」

「ちょっと触ってもいいですか?」

「ええ、どうぞ。やってみてください」

「こうして、こうして、こう弾くように。そしてつまんで」

「ああ、なんとなく…… つままれるとビクんとします」

「ちょっと舌でやってもいいですか?」

「え、舐めるんですか?」

「ええ。女にやるように」

「はい」

大きな身体に腕を回して強く抱きつく。どうりで冷静で知的な感じだと思ったら大学の先生だったとは。そんな真面目そうな男でも体臭はほのかに男の汗の匂いがする。俺はおもわずピンクの乳首にむしゃぶりついた。

「あ、ああ」

ちゅっぽ。ちゅっぱ。ぴちゅ、ぷちゅ。

「ほらっ、少し硬くなって勃ってきたでしょ」

「あ、ああ。なんだか電気が走ったようになりました」

「こっちの乳首も」

「ああ、はあああ、すっすごいっ! あああ」

「せ、先生どうですか? 気持ちいいでしょ?」

「はああ、ああああ。こ、こんなの、はっ、はじめて、ですう」

俺の腕の中で大きな身体をくねらせて悶える先生。

「先生。ほかにもありますよ」

「あああ。え、ええ? なんですか?」

「セックスの対象になるエロいところ」

「はあ、はああ。そ、そうですか」

「子供みたいに丸くてふっくらと膨らんだ頬。この一重で素朴な黒目がちの眼。今日1日で生えた短いひげ。ツンと上を向いた上品な上唇。そしてぷっくりと柔らかそうな下唇……」

俺はそう言いながら先生の唇に唇を合わせた。

先生は嫌がることなく俺を受け入れた。ゆっくりと舌を入れると先生の舌も伸びてきて絡まった。

長い間絡み合い、お互いの意思がようやくつながったように思えた。

「こ、こんなに…… 男同士でこんな気持ちになるなんて……」

「もっと知りたくないですか?」

「えっ?」

俺は先生のひざにあったタオルを剥ぎ取ると、ぐったりとしかし少し硬くなりかけている太いチンポを優しく握った。

「あっ」

「ほら先生、ぼくのチンポ見てください。先生がおっしゃったようにこんなにビンビンです」

「あ、ああ。そう、ですね」

「他人の勃起したチンポ触ったことありますか?」

「い、いえ。ありません」

「ほら、どうぞ。触ってみてください」

「わああ、おっきい! あ、熱い……」

「先生のチンポのほうが大きいですよ」

「わ、わたしのはこんな、硬くなってないですから」

大学の先生が俺の勃起チンポを握ってしゃべっている。

「じゃあ、こうしたらどうでしょう」

「な、なんですか? どう、するんですか?」

先生の太くて分厚い両脚を持ち上げてケツ穴をさらした。

「あ、ああ。そ、それは……」

「大丈夫です。後学のためですよ」

「な、なにを?……」

俺は指を咥えて唾液をつけるとその人差し指をゆっくりと先生の穴に刺し込んだ。

「あ、ああ。む、無理です! 無理です! わ、わたしはそうじゃ……」

「わかってますよ。これはマッサージです。前立腺の」

「前立腺……」

「痛くないでしょ?」

「え、ええ」

「もう2本入ってますよ」

「へええ!?」

「大丈夫でしょ?」

「はあ、あああ。で、でも、なんか。なんか」

「この奥を撫でるように、ゆっくりと刺激して……」

「ああ、あああ! チ、チンポが! あああ、すごい! 勃ってきました!」

「うわあ! デッカ! なにこれ! せ、先生! チンポすげえデカいですね! ぼくの倍くらいあるじゃないですか!」

「あああ、はああ! な、なんか! すごく気持ちいいです!」

「ああすっげ! デッカい亀頭が剥き出てきてすげえエロいです先生!」

「ああっ! ああっ! はああっ!」

「ほらっ先生自分で脚抱えて。そうそう、もっとぎゅーっとケツ押し出して。そうです。デッカいケツ! いやらしい! ケツマンコに指突っ込まれてチンポビンビンにしてすんげえ丸見えです!」

「ああっ! はあっ! はああっ!」

俺は先生の極太巨大チンポを握るとぞっぷぞっぷとしごいた!

「ああっ! あああっ! はあああっ!」

にちゅ。むちゅ。ぴちゅ。ぷちゅ。

「先生、我慢汁が溢れていやらしい音してます

「はあっ、はああっ! は、恥ずかしい」

「でも先生が脚抱えて広げてるからケツマンコに指入ってるとこ丸見えですよ」

「あああ、はああ! す、すごいい!」

「大学では学生さんに講義することもあるんでしょ?」

「ああっ! はああっ! ああん!」

「こ、こんな姿想像できないっすよね」

「はああっ! はああっ! は、恥ずかしい」

「学生さんがこんな先生の姿見たらどう思うでし……」

「で、でるっ!」

先生は俺の指をケツマンコに突っ込んだまま大股を開き大量のザーメンを吹き上げて自分の顔や身体にぶちまけた!

「うっ! うっ! ふうっ! あああ!」

「せ、先生! お、俺も! 俺もイ、イキま! イック! イック! イク! イク! ふっ! うっ! うっ! うっ! うっ!」

思いのほか大量のザーメンが飛び出して、かわいい先生の顔に二度三度とぶちまけた!

「うう、むううう……」

…………


そのあとずっと無言の先生。

湯船に浸かってぼおっとしている俺の前を通って出入り扉へ向かう先生がふと立ち止まって俺に話しかける。

「あのお」

「は、はい」

「今度はいつ来られますか?」

「えっ?」

「よろしければもっと詳しく教えてもらえたらと思いまして」

「あ、はあ」

「あ、あくまで後学のためで……」

「じゃあ、今度はローションとコンドームを用意しておきます」

「よ、よろしくお願いしますう」


おしまい

以前のサイトで投稿させていただいた友野です。最近になって復活されたことを知りました。おめでとうございます。
「親父のブログ」にてブログ記事を紹介していただきありがとうございます。また「親父のHP」にて案内させていただきました。
また時々投稿させていただきたいと思います。

22/09/27 01:37 友野勇

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