裸の共犯者
お風呂場に入る前、私はいつも決まって体重計に足を乗せる。若い彼に「おじいちゃん」扱いされて嫌われないよう、せめてこの体型だけは現状維持を心掛けようというささやかな抵抗だ。
もっとも、脱衣所の大きな鏡を見ると、目尻のシワやたるんだ肉体が嫌でも目に入り、自分がどれほど年を取ったかが鮮明に突きつけられる。だから私は、できるだけ現実を見ないように目を逸らしながら、そそくさと洗い場へ向かうのが常だった。
まずは隅々まで体を綺麗に洗い清め、それから少し熱めの浴槽に身を沈める。じわりと芯から体が火照ってきたところで湯から上がり、今度は丁寧に水分を拭き取ってからサウナへと足を運ぶ。
年齢的な体の負担を考え、長時間の滞在は避けるようにしている。サウナでしっかり汗を流すのは最大でも十分程度。そのあとは冷水風呂にザブンと浸かり、火照った体を冷やしてから、椅子に座ってじっくりと休憩する。そしてまたサウナへ...それが私の決まったルーティンだった。
開店直後の時間帯は客が少なく、静かに自分の世界に浸れるのがいい。その日もいつものように扉を開けると、すでにサウナ室には先客が一人いた。
彼はどうやら私と同じ常連客らしく、これまでも何度か顔を合わせたことがあった。こういう大衆浴場という場所柄、男同士の空間ということもあってか、皆どこか開放的だ。時折、若い客が足を踏み入れたときなど、ふと視界に入るその若々しい珍棒をこっそり眺めるのが、私のひそかな目の保養でもあった。
だが、その先客は私と同年代か、あるいは少し下くらいに見える初老の男だった。彼はベンチで大股を広げて座っており、使い込まれたその陰部がチラリと視界の端に入る。もっとも、私にとって同年代の体などタイプ外の対象でしかなかったから、これまでは特に興味を惹かれることもなかった。
いつもなら挨拶程度でやり過ごすところなのだが、その日に限って彼は妙な話を切り出してきた。
「なぁアンタ、この前〇〇っていうホテルから出てこなかったか?」
その名前を聞いて、私は思わず心臓が跳ね上がりそうになった。〇〇ホテル、それはこの街の片隅にひっそり佇む、男性同士でしか入れない、もっぱらゲイの男たちが利用することで知られた有名なホテルだった。
「若い男と一緒に出てきたのを見たぞ。ってことは、アンタもお仲間さんかい?」
真っ直ぐに向けられたその問いかけに、隠し通すのは無理だと悟った。私は観念し、気まずさを覚えつつも、自分がゲイであり、昔から若い男ばかりを好んで愛してきたことを静かに打ち明けた。
すると、彼は驚くどころか、妙に納得したような顔をした。そして、自分もまたゲイであることを明かし、年齢や相手の見た目なんて関係なく、心の赴くままにいろんな男と交わっているのだと語り始めたのだ。
話をしながら、彼は退屈しのぎのように自分の珍棒をしごき始めた。
「最近、どうもご無沙汰でさみしくてさ」
そう呟きながら扱き上げられた彼の珍棒は、私を驚かせるのに十分な変化を見せていた。年齢に似合わず、まるで若い彼に引けを取らないほどのサイズにまで膨れ上がっていたのだ。その生々しい光景を目の当たりにした私は、思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまった。
私のその反応を、彼は見逃さなかった。
「なぁ、良かったらこれを鎮めてくれよ」
そう言うと、彼は有無を言わせぬ勢いで自分の下半身を私の目の前へと突き出した。
「私は若い子しか経験がないから……」
反射的にそう断ろうとした矢先だった。ガシッと私の頭が掴まれ、彼の太い珍棒が、何の容赦もなく私の口内へと無理矢理押し入ってきた。
いくら同性愛者とはいえ、自分と同じような年老いた男の匂いや体液が混じったものなど、本来なら不快感しか抱かないはずだった。若いピチピチとした肉体こそが私のすべてであり、老人の体など論外だと、心の底からそう信じ込んでいた。
実際に口に含んでみると、その使い込まれた肉体から放たれる熱と匂いは、不思議なことに嫌悪感を抱かせなかった。それどころか、なぜか妙に生々しく、私の中の別のスイッチを押し込んでしまうような、得も言われぬ「美味しい」と感じてしまう背徳的な魅力に満ちていたのだ。
若い男を愛してきたはずの私が、同年代の男の肉体に、初めて快感を覚えてしまっている。
サウナのもうもうと立ち込める湯気の中で、私の知らなかった扉が、音を立ててまた一つ開こうとしていた。
もっとも、脱衣所の大きな鏡を見ると、目尻のシワやたるんだ肉体が嫌でも目に入り、自分がどれほど年を取ったかが鮮明に突きつけられる。だから私は、できるだけ現実を見ないように目を逸らしながら、そそくさと洗い場へ向かうのが常だった。
まずは隅々まで体を綺麗に洗い清め、それから少し熱めの浴槽に身を沈める。じわりと芯から体が火照ってきたところで湯から上がり、今度は丁寧に水分を拭き取ってからサウナへと足を運ぶ。
年齢的な体の負担を考え、長時間の滞在は避けるようにしている。サウナでしっかり汗を流すのは最大でも十分程度。そのあとは冷水風呂にザブンと浸かり、火照った体を冷やしてから、椅子に座ってじっくりと休憩する。そしてまたサウナへ...それが私の決まったルーティンだった。
開店直後の時間帯は客が少なく、静かに自分の世界に浸れるのがいい。その日もいつものように扉を開けると、すでにサウナ室には先客が一人いた。
彼はどうやら私と同じ常連客らしく、これまでも何度か顔を合わせたことがあった。こういう大衆浴場という場所柄、男同士の空間ということもあってか、皆どこか開放的だ。時折、若い客が足を踏み入れたときなど、ふと視界に入るその若々しい珍棒をこっそり眺めるのが、私のひそかな目の保養でもあった。
だが、その先客は私と同年代か、あるいは少し下くらいに見える初老の男だった。彼はベンチで大股を広げて座っており、使い込まれたその陰部がチラリと視界の端に入る。もっとも、私にとって同年代の体などタイプ外の対象でしかなかったから、これまでは特に興味を惹かれることもなかった。
いつもなら挨拶程度でやり過ごすところなのだが、その日に限って彼は妙な話を切り出してきた。
「なぁアンタ、この前〇〇っていうホテルから出てこなかったか?」
その名前を聞いて、私は思わず心臓が跳ね上がりそうになった。〇〇ホテル、それはこの街の片隅にひっそり佇む、男性同士でしか入れない、もっぱらゲイの男たちが利用することで知られた有名なホテルだった。
「若い男と一緒に出てきたのを見たぞ。ってことは、アンタもお仲間さんかい?」
真っ直ぐに向けられたその問いかけに、隠し通すのは無理だと悟った。私は観念し、気まずさを覚えつつも、自分がゲイであり、昔から若い男ばかりを好んで愛してきたことを静かに打ち明けた。
すると、彼は驚くどころか、妙に納得したような顔をした。そして、自分もまたゲイであることを明かし、年齢や相手の見た目なんて関係なく、心の赴くままにいろんな男と交わっているのだと語り始めたのだ。
話をしながら、彼は退屈しのぎのように自分の珍棒をしごき始めた。
「最近、どうもご無沙汰でさみしくてさ」
そう呟きながら扱き上げられた彼の珍棒は、私を驚かせるのに十分な変化を見せていた。年齢に似合わず、まるで若い彼に引けを取らないほどのサイズにまで膨れ上がっていたのだ。その生々しい光景を目の当たりにした私は、思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまった。
私のその反応を、彼は見逃さなかった。
「なぁ、良かったらこれを鎮めてくれよ」
そう言うと、彼は有無を言わせぬ勢いで自分の下半身を私の目の前へと突き出した。
「私は若い子しか経験がないから……」
反射的にそう断ろうとした矢先だった。ガシッと私の頭が掴まれ、彼の太い珍棒が、何の容赦もなく私の口内へと無理矢理押し入ってきた。
いくら同性愛者とはいえ、自分と同じような年老いた男の匂いや体液が混じったものなど、本来なら不快感しか抱かないはずだった。若いピチピチとした肉体こそが私のすべてであり、老人の体など論外だと、心の底からそう信じ込んでいた。
実際に口に含んでみると、その使い込まれた肉体から放たれる熱と匂いは、不思議なことに嫌悪感を抱かせなかった。それどころか、なぜか妙に生々しく、私の中の別のスイッチを押し込んでしまうような、得も言われぬ「美味しい」と感じてしまう背徳的な魅力に満ちていたのだ。
若い男を愛してきたはずの私が、同年代の男の肉体に、初めて快感を覚えてしまっている。
サウナのもうもうと立ち込める湯気の中で、私の知らなかった扉が、音を立ててまた一つ開こうとしていた。
26/09/04 18:57更新 / 調教師の60代
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