目覚めし獣
その状態が、どれほど続いたのだろうか。狭い個室にこもる熱気と、引き裂かれるような痛みに耐えながら、私はただ、この地獄が早く終わってくれることだけを神に祈り続けていた。
田口は容赦なく、私の肉体に己の質量を打ち付け、蹂躙を続ける。私はなす術もなく、この終わりの見えない暴力の嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった。
やがて、田口の息遣いが一段と荒くなり、獣のような唸り声が耳元に響いた。
「……このまま、中に出すからな」
拒絶の意思表示をすることさえ許されぬまま、激しさを増した腰使いの果てに、田口は私の中へ熱い液体を容赦なく注ぎ込んだ。
「ハァ……良かったよ、山口さん」
満足げな吐息とともに、お尻からペニスがずるりと引き抜かれた。
見知らぬ男にお尻を貫かれ、その体内に射精までされてしまうなど、夢にも思わなかった。田口が私の口からようやく褌を外したとき、私はあまりの出来事に現実を受け止めることができず、床にへたり込んだままピクリとも動けなかった。
田口は衣服を整えると、哀れな獲物を見下ろすように冷たく笑った。
「記念に、その褌はやるよ」
男はそう言い残し、個室のドアを開けて去っていった。
静まり返った個室で、どれほどの時間が流れただろう。数分後、私は震える手でなんとか身なりを整え、這うようにしてその呪われた公園を後にした。
命からがら家に帰り着くと、私は汚されてしまった身体を洗い流すため、浴室へと直行した。
お尻の奥は未だにジンジンと熱を持ってヒリつき、微量の血が混じっているのが分かった。そして何より、お尻からは田口が残していった精液が、不快な温かさをもってとろとろと垂れ流されていた。
あまりの虚しさと、高校生の頃に味わったあの明美さんの記憶が最悪の形でフラッシュバックし、私は浴室の床で声をあげて泣き崩れた。
お尻から伝う男の痕跡を指で拭いながら、私は激しい疑問に駆られていた。なぜ田口は、あんな強行に及んだのか。そして、なぜ私は、あの場に置いていかれたはずの男の褌を、律儀に我が家まで持ち帰ってしまったのだろうか。捨ててくればよかったはずなのに。
風呂から上がり、私は脱衣所に置いたその褌をじっと見つめた。
夏の汗と脂、そして男の執念が染み込んだ布地からは、顔を離していてもなお、濃厚な「雄の匂い」が立ち込めていた。
(こんな悍ましいもの……!)
嫌悪感のままに床へ叩きつけようとした、その瞬間だった。
鼻腔をくすぐるその生々しい匂いに反応して、私のペニスが、信じられないほどの硬さで猛烈に跳ね上がったのだ。
驚愕した。トラウマとして私の人生を呪うはずの出来事で、なぜ私は興奮しているのか。
身体の衝動には抗えなかった。私は自然と、自分のペニスを握り、扱き始めていた。
気がつけば、左手には田口の褌をきつく握りしめていた。そして、さきほどトイレで無理矢理あてがわれたときのように、それを自ら口と鼻に押し当て、田口の匂いを狂ったように貪り嗅いでいた。私は完全に、理性を失った興奮状態に陥っていた。
普段であれば、どんなにエッチな想像を巡らせても、過去の傷のせいで射精に至るまで十分以上はかかっていた。それなのに、その日は違った。男の匂いを嗅いだだけで、一分もしないうちに、私の身体は放出の瞬間を迎えていたのだ。
しかも驚くべきことに、これまでは申し訳程度にしか出なかった精液が、自分の顔にまで飛んでくるほどの凄まじい勢いと量で溢れ出た。
その日を境に、私の日常は一変した。
私はまるで何かに憑りつかれたかのように、田口の褌の匂いを嗅いでは自慰に耽ることに夢中になった。
これまでは十日に一度、義務のように行っていた行為だった。それが、気が狂ったように没頭してしまい、一日に何度も射精したくなるほどの、強烈な常用性に支配されてしまったのだ。若い頃のトラウマのせいで、私のペニスはもう二度と硬くならないと思い込んでいた。それが、たった一人の男の匂いによって、これほどまで劇的に目覚めてしまうとは思いもよらなかった。
しかし、至福の時間は長くは続かなかった。洗うこともできず、毎日のように田口の褌を嗅ぎ続けたため、しばらくすると、あの香しい「雄の臭い」は完全に消え失せてしまったのだ。
ただの布切れに戻ったそれを前に、私はあの日の記憶を必死に思い出して自慰を試みたが、匂いがあった時ほどの興奮は二度と訪れなかった。そればかりか、ペニスは再び、あの冷たい石のように硬くならなくなってしまったのだ。
(私は、あの変態のせいで、同じ変態の深淵に堕ちてしまったのだろうか……)
底知れない自己嫌悪と、「いや、私は至って健全なはずだ」という防衛本能が、頭の中で激しく入り混じり、引き裂かれそうだった。
だが、混濁する思考の裏側で、肉体はあの強烈な匂いを、あの痛烈な快感を、もう一度嗅ぎたい、味わいたいと激しく飢えていた。
私はあれほど恐怖し、二度と近づきたくないと誓ったはずのあの公園へ、引き寄せられるように再び足を運ぶようになっていた。男に犯された、あの始まりの場所へと。
田口は容赦なく、私の肉体に己の質量を打ち付け、蹂躙を続ける。私はなす術もなく、この終わりの見えない暴力の嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった。
やがて、田口の息遣いが一段と荒くなり、獣のような唸り声が耳元に響いた。
「……このまま、中に出すからな」
拒絶の意思表示をすることさえ許されぬまま、激しさを増した腰使いの果てに、田口は私の中へ熱い液体を容赦なく注ぎ込んだ。
「ハァ……良かったよ、山口さん」
満足げな吐息とともに、お尻からペニスがずるりと引き抜かれた。
見知らぬ男にお尻を貫かれ、その体内に射精までされてしまうなど、夢にも思わなかった。田口が私の口からようやく褌を外したとき、私はあまりの出来事に現実を受け止めることができず、床にへたり込んだままピクリとも動けなかった。
田口は衣服を整えると、哀れな獲物を見下ろすように冷たく笑った。
「記念に、その褌はやるよ」
男はそう言い残し、個室のドアを開けて去っていった。
静まり返った個室で、どれほどの時間が流れただろう。数分後、私は震える手でなんとか身なりを整え、這うようにしてその呪われた公園を後にした。
命からがら家に帰り着くと、私は汚されてしまった身体を洗い流すため、浴室へと直行した。
お尻の奥は未だにジンジンと熱を持ってヒリつき、微量の血が混じっているのが分かった。そして何より、お尻からは田口が残していった精液が、不快な温かさをもってとろとろと垂れ流されていた。
あまりの虚しさと、高校生の頃に味わったあの明美さんの記憶が最悪の形でフラッシュバックし、私は浴室の床で声をあげて泣き崩れた。
お尻から伝う男の痕跡を指で拭いながら、私は激しい疑問に駆られていた。なぜ田口は、あんな強行に及んだのか。そして、なぜ私は、あの場に置いていかれたはずの男の褌を、律儀に我が家まで持ち帰ってしまったのだろうか。捨ててくればよかったはずなのに。
風呂から上がり、私は脱衣所に置いたその褌をじっと見つめた。
夏の汗と脂、そして男の執念が染み込んだ布地からは、顔を離していてもなお、濃厚な「雄の匂い」が立ち込めていた。
(こんな悍ましいもの……!)
嫌悪感のままに床へ叩きつけようとした、その瞬間だった。
鼻腔をくすぐるその生々しい匂いに反応して、私のペニスが、信じられないほどの硬さで猛烈に跳ね上がったのだ。
驚愕した。トラウマとして私の人生を呪うはずの出来事で、なぜ私は興奮しているのか。
身体の衝動には抗えなかった。私は自然と、自分のペニスを握り、扱き始めていた。
気がつけば、左手には田口の褌をきつく握りしめていた。そして、さきほどトイレで無理矢理あてがわれたときのように、それを自ら口と鼻に押し当て、田口の匂いを狂ったように貪り嗅いでいた。私は完全に、理性を失った興奮状態に陥っていた。
普段であれば、どんなにエッチな想像を巡らせても、過去の傷のせいで射精に至るまで十分以上はかかっていた。それなのに、その日は違った。男の匂いを嗅いだだけで、一分もしないうちに、私の身体は放出の瞬間を迎えていたのだ。
しかも驚くべきことに、これまでは申し訳程度にしか出なかった精液が、自分の顔にまで飛んでくるほどの凄まじい勢いと量で溢れ出た。
その日を境に、私の日常は一変した。
私はまるで何かに憑りつかれたかのように、田口の褌の匂いを嗅いでは自慰に耽ることに夢中になった。
これまでは十日に一度、義務のように行っていた行為だった。それが、気が狂ったように没頭してしまい、一日に何度も射精したくなるほどの、強烈な常用性に支配されてしまったのだ。若い頃のトラウマのせいで、私のペニスはもう二度と硬くならないと思い込んでいた。それが、たった一人の男の匂いによって、これほどまで劇的に目覚めてしまうとは思いもよらなかった。
しかし、至福の時間は長くは続かなかった。洗うこともできず、毎日のように田口の褌を嗅ぎ続けたため、しばらくすると、あの香しい「雄の臭い」は完全に消え失せてしまったのだ。
ただの布切れに戻ったそれを前に、私はあの日の記憶を必死に思い出して自慰を試みたが、匂いがあった時ほどの興奮は二度と訪れなかった。そればかりか、ペニスは再び、あの冷たい石のように硬くならなくなってしまったのだ。
(私は、あの変態のせいで、同じ変態の深淵に堕ちてしまったのだろうか……)
底知れない自己嫌悪と、「いや、私は至って健全なはずだ」という防衛本能が、頭の中で激しく入り混じり、引き裂かれそうだった。
だが、混濁する思考の裏側で、肉体はあの強烈な匂いを、あの痛烈な快感を、もう一度嗅ぎたい、味わいたいと激しく飢えていた。
私はあれほど恐怖し、二度と近づきたくないと誓ったはずのあの公園へ、引き寄せられるように再び足を運ぶようになっていた。男に犯された、あの始まりの場所へと。
26/06/01 18:59更新 / 調教師の60代
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