連載小説
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快楽の陥落
精液も小便も満足に飲み干せない目の前の男に、私は酷い失望を覚えていた。どこかで彼が観念し、私のすべてを受け入れてくれるのではないかと、淡い期待を抱いていたからかもしれない。

私は彼のお尻に、再び指を滑り込ませた。窄まりを押し広げるように指を動かす。さっきまではあれほど悲痛な呻き声を漏らしていたというのに、いまや指二本程度では、むしろ悦んでいるようにも見受けられた。
やはり、最初の拒絶はただの違和感による演技だったのだ。あるいは、これ以上激しく抵抗すれば、またあの黄金の液体を飲まされてしまうという、彼なりの必死の保身だったのかもしれない。

指二本を容易く受け入れる肉体を確認した私は、持参したバッグから電動式のディルドを取り出した。
彼は最初こそ微かに身をよじったが、そこに明確な嫌悪の拒絶はなかった。聞こえてくるのは、押し殺しきれない快楽が漏れ出たような、濡れた吐息だった。

スイッチを入れ、機械的な振動がお尻の奥を震わせ始めると、つい数時間前まで頑ななノンケだった男から、明らかな「喘ぎ声」が漏れ聞こえてきた。
ノンケの中にも、お尻の快感に異常に開発されやすい素質を持つ者がいる。それは知識として知っていたが、まさかこれほどプライドの高そうな男がそのタイプだったとは。私もまだまだ経験が足りないな、と内心で苦笑した。

私はディルドの角度を微調整し、彼の最も敏感な結節――前立腺の辺りをダイレクトに攻め立てた。
そこが、彼の致命的な性感帯だったのだろう。驚くべきことに、彼は数分前のうめき声とは完全に一線を画す、艶めかしく、蕩けたようなよがり声をあげ始めた。
ここを愛撫されるのは、間違いなく彼の人生で初めての経験だったはずだ。ものの数分もしないうちに、彼の小さなペニスが限界を迎えた。

それは、老人である私のようにドロリと溢れるような出方ではなかった。まるで若かりし頃の記憶を呼び覚ますかのように、天井まで届かんばかりの勢いで、白濁が文字通り「噴射」されたのだ。

彼のお腹に降り注いだ熱い精液を、私は手のひらで 掬い取った。そして、そのまま彼の唇へと運ぶ。
生まれて初めて体験する絶頂の残響で、彼の脳は完全に麻痺していたのだろう。これまでなら狂ったように拒絶していたはずの行為。しかし今の彼は、自身の欲望の結晶が付着した私の指を、まるでこの世で最も愛おしく、尊いものであるかのように、熱心に舌でしゃぶっていた。

「ゲイなんて人間のクズだ」
さっきまで彼は、そんな言葉の暴力を私に浴びせていた。しかし、ゲイである私にお尻を徹底的に責め立てられ、未曾有の絶頂に達している彼こそが、紛れもない本物のゲイであり、素質あふれる「M」なのだと、私は確信していた。

射精後も、ディルドは容赦なく彼の弱点を抉り続けていた。果てた直後の過敏な粘膜を責められ、彼は苦しそうに身悶えしている。
お互いに一度ずつ出し切ったこともあり、私は一度ディルドを引き抜き、縛られた彼を横たわらせてやった。
彼は虚ろな目で天井を見つめながら、呆然と、しかし自らを納得させるように呟いた。
「……あんなに、気持ちいいなんて、思いもしなかった……」

その降伏宣言を聞けただけでも、今日の調教は十二分に成功と言えた。しかし、私の内に燻るサディズムは、彼の「完全なる調教」を求め始めていた。

時が経ち、お互いの精力が回復してきたのを見計らって、私は再び彼のお尻にディルドを宛がった。
あれほどの抵抗はどこへやら、彼は本能的にお尻を広げ、異物を迎え入れやすいように自ら肢体を開いていた。そのペニスは、触れてもいないのに、再び脳裏をよぎった快感に反応して、じわじわと肉厚に膨らみ始めている。
このまま勝手に果てられては興が削がれる。私は彼のペニスの根元を紐で固く縛り上げ、強制的に射精を封じた。

そしてバッグから、先ほどのものの倍はあろうかという、凶悪なサイズのディルドを取り出した。
挿入の瞬間こそ、肉体の物理的な限界に拒絶の声をあげるが、ひとたび最奥のスポットを責められると、その声はたちまち淫らな喘ぎへと変貌する。どうやら彼は、完全にお尻の奴隷となってしまったようだった。

全身を縄で縛られ、初めて尽くしの陵辱を受けながら、変態の深淵へと堕ちていくその姿に、私は至上の歓喜を覚えていた。

ディルドのサイズを徐々に上げていき、ついに、私のペニスを受け入れるに十分なほど、彼の秘丘は準備された。
最初は形式的に嫌がる素振りを見せたものの、私が腰を沈め、その根元まで一気に肉棒を貫通させると、部屋中に彼の絶叫が響いた。
前立腺を容赦なく擦り上げるように腰を動かすと、彼からは「あ、あんっ……!」という、まるで女性のような甲高い快楽の声が飛び出した。

私は耳元で、甘く残酷な言葉責めを仕掛ける。
「おや、あれだけ嫌がっていたのに……ゲイのペニスが、そんなに気持ちいいのかい?」
しかし、まだ強情なプライドが残っていたのか、彼は「こんなの、気持ちいいわけがないだろ……っ!」と反抗的な言葉を返してきた。

無理強いをしてやる性質ではない。私は「そうか。じゃあ、やめるね」と冷たく告げ、お尻からペニスを躊躇なく引き抜いた。
肉壁を擦りながら抜けていく強烈な愛撫に、彼はたまらなくなったのだろう。最後まで貫いてほしいがために、プライドをかなぐり捨てて懇願してきた。
「お願いします……! 抜かないで、入れてください……っ!」

しかし、一度行為を中断し、集中力が切れてしまったためか、二回目となる私のペニスは、すっかり萎んでしまっていた。
硬くならないモノを前にどうしたものかと悩んでいると、信じられない言葉が彼の口から飛び出した。
「私の口を、使ってください……! 私が、大きくしますから……!」

数時間前までゲイを激しく毛嫌いしていたノンケの台詞とは、到底思えなかった。
かつて私のそれを口に含んだ時は、まるで異物を追い出すような不器用な舌使いだった男が、いまや別人かと思うほど、自ら首を激しく振って、私のペニスを根元まで貪欲に呑み込んでいる。

彼の必死の口技によって、私のペニスは再び猛々しく、先ほどよりも一回り大きくなったかのように硬度を増していった。

私は彼を四つん這いにさせ、その無防備なお尻へと、再び根元まで一気に貫き通した。
「ああぁっ……! 気持ちいい……ありがとうございます……っ!」
歓喜の悲鳴が上がる。私が彼のお尻の処女を奪った張本人であるにもかかわらず、彼は私のペニスを、まるで最愛の主人のように崇めていた。

肉のぶつかる音を響かせながら、私は彼のお尻に腰を打ち付け続けた。引き絞られるような快感に、そろそろ私の限界が近づく。
「おい、そろそろ出るぞ。どこに出してほしい?」
尋ねると、彼は教えられもしない調教の模範解答を、流暢に口にした。
「私の中に……お尻の中に、全部ください……っ!」

その言葉と同時に、彼の根元を縛っていた紐を一気に解き放つ。
刹那、彼は二度目の激しい射精を迎え、それと連動してお尻が狂ったように私のペニスを締め付けた。その極上の締め付けに私も限界を迎え、二発目とは思えないほどの熱い質量を、彼の後孔の最奥へと、容赦なく注ぎ込んだ。

ゆっくりとペニスを引き抜く。まだ尿道からは、名残惜しそうに白濁が漏れ出ていた。
それを彼の顔面へと近づけると、彼はまるで、世界で最も愛しいものを見つめるような 恍惚とした瞳で、私のペニスを再び、自らの唇で優しく迎え入れるのだった。
26/05/29 14:11更新 / 調教師の60代
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