読切小説
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下カンデの頃
下カンデの頃

東京都中野区で蠢くような生活を数年間続けていました。
ボロボロの僕でありました・・・。
でも同性愛の行為が人間の尊厳を守ってくれました。
隣室の男性との愛情交歓が彼と僕を、確かに守り続けてくれたのです。

時が過ぎ、やがて二人は別の道を歩かざるを得なくなりました。
その後、様々な事がありましたが、僕は下カンデというに土地に2年間以上住む事になりました。
居住は男性2人の相部屋でした。
建物は鉄筋コンクリート3階建て、風呂、水道、炊事、便所は共同でした。
室内は8畳程度で固定ベッドと机が備わり、同居人との境界線は皆無でした。

ベッドは部屋の両端に1台づつ備わり、ベッドとベッドの間が通路でした。
昭和の時代の居住快適仕様と精一杯のプライバシー保護(小さな棚に扉が
ある程度・・)です。

その同室の人は、あきら君です。

あきら君は二十歳になったばかりで、僕より7歳程度若い人でした。
身長165cm 体重53s 蟹座の生まれ
純白に近い肌と、意外なほどに筋骨隆々の男体です。
顔から足の裏まで、ほくろやシミが無い。
髪の毛は長髪、直毛で漆黒に輝いている。
顔立ちは丸顔に近く、頭も丸くキュートな男の子です。
瞳は切れ長の一重まぶたにやや長めのまつ毛が備わっている。
観る男性を溶かしてしまうような美しい瞳です。
耳殻 耳朶は中庸の大きさと厚み。
鼻筋はとおり、やや高めで小鼻は中庸の幅で美しい。
人中は短く形が整っている。
頬は赤味が無く純白。
唇は中庸の厚みで、口尻が上がっていて、品位を感じさせます。
上唇が下唇より少し出ています。接吻がとてもやりやすい形です。
喉は白く、のどぼとけは殆ど出ていない。
喉から肩は純白の肌でつながり、そこにキスマークを付けたくなります。
声は透き通ってやや高音の男声で、その声の質は新緑を感じさせます。
体毛は、髭剃りが殆ど不要の顔と、ほぼ無毛の美しい腕、太腿、脛。
あるべきところに漆黒の柔らかい毛が最小限の面積で生えている。
性器は、童貞のものでして皮を被り、勃起で亀頭が露出すると思われます。
当然亀頭は桃色です。
お尻は小振りで純白で丸く出ている。

鼠径部の線がこれほど美しく性器につながる体は、
いまだに見た事がありません。
今も目に浮かびます。
お酒とたばこは全く受け付けませんが、少量の酒は飲みたがります。

少女漫画を読み漁るのが好みですが、あきら君はゲイではありません。
また女装指向も無い。
ですから服装は、若い男の子そのもので、下着も地味な柄パンです
しかし爪先は、いわゆる内股で、しかも両腕の肘は体にいつも沿っています。
なので動作は小さく、威勢をはるポーズは皆無で、その可憐な歩き方と仕草は
僕を勃起させます。

社寮の銭湯に一緒に入る事がたびたびありました
柄パンの脱ぎ方は、無造作ながらも、性器を隠そうとする仕草が可憐です。
脱衣所で全裸になっていく彼はとても素敵です。

このような美しい男性と同室に居られる事は、全く慶事と言えます。
しかし約2年間、僕はあきら君と交接したい気持ちを告白することはありませんでした。
あっと言う間に2年の期限が近づきました。
やがて、あと1ケ月弱でこの寮を退去し、あきら君とも別れてしまう時期に
なりました。

そんなある日の事です。

あきら君はカメラを買って来ました。
NIKONの良いカメラです。当時デジタルカメラ等は一般者が買えるような
時代では無く、銀塩フィルムの高級カメラでした。
あきら君がとても嬉しそうに見せてくれました。黒光りのするずっしりと思いカメラでした。

二人の会話です

あきら:Aさん、もうすぐお別れですけど、写真撮って良いですか?
僕:良いよ。想い出になるね。
あきら:Aさんの綺麗なところを撮りたい・・
僕:じゃあさ・・ヌードはどう?(内心焦りすぎを懸念)
あきら:あっ!それ、それ良いです。
僕:モロ出し、撮れる?
あきら:え・・・・撮ってみたいけど現像で没収されるかも
僕:没収は無いだろうけど、まぁ受取の際の写真確認はちょっと緊張するかも
あきら:じゃぁ際どいところを・・
僕:わかった・・。あきら君、僕が勃起させたところを想い出に、お願い。
あきら:良いですよ!

僕はなんの躊躇もせず、衣服を脱ぎ全裸になりました。
あきら君を前に、僕の陰茎は亀頭を光らせ上方を向きました。

あきら:わぁ・・初めて見ます・・・
僕:こういう経験はなかなか無いよね。普通男同士なら勃起は隠すのにね。
あきら:(笑)
僕:あきら君、解る?僕は男の子にも興味があることを。
あきら:(頷く)・・・わかってます・・・
僕:じゃぁ撮って
あきら:はい!

全裸の僕はベッドの上で性器を手で隠したりしてモデルになりました。
顔を隠すなんてありえません。
顔も胴体も性器もお尻もすべてフィルムに写ります。

彼は全裸の僕と勃起した性器を注視しながらシャッターを押し続けました。
1時間近くの撮影です。僕の亀頭の鈴口から透明のお汁が糸を引きました。

あきら:それ、透明度がすごい!撮ってみたい。すごく綺麗!
僕:あきら君は、これ、出ないの?
あきら:少し出ます。Aさんほどは出ませんけど(笑)

僕は全裸で勃起させながら彼の股間を見ると、彼も下着の中で膨張しつつある
事が判った。
僕:あきら君も裸にならない?・・それで・・僕に抱かれることは抵抗ある?
あきら:・・う〜ん、ちょっと男性同士では・・
僕:冗談だよ、ごめん。撮影、嬉しかったよ。勃起したチンコも喜んでる(笑)
あきら:ありがとうございます。早速現像に出してきます。

2日後、かれは現像した写真を持ってきてくれました。
手で隠した性器ですが、亀頭と鈴口はハッキリを写っていて我慢汁も鮮明に写っています。
全裸の全身写真は、自分自身にそそられるようなエロチックさが滲み出ていました。

僕:写真屋に何か言われなかった?
あきら:まったく大丈夫でした。モロダシでも良かったかも。
僕:あきら君の全裸とチンコを、僕が撮ってあげようか?
あきら:ダメダメ!僕はモデルはダメです(笑)

あきら君は、印画紙をくれましたが、ネガは貴重な宝物にするとの事。

さて、あきら君は明日、退寮して名古屋に帰っていくのです。
なにか心残りで、なにか大事なものが消失していくような気持ちになります。
あきら君は翌朝早く出るので、21:00には就寝しました。

これで最後の日です。僕はたまらなくなりました。
彼の寝息を確認して、常夜灯だけの部屋の中で、彼の頬を少し触りました。
目覚めません。
僕は、彼への愛が破裂しそうに膨らんでしまって、とても抑えられない。
僕は、全裸になりました。硬くなった僕の陰茎が、彼を求めています。
あきら君は、柄パン一枚で上半身は裸で、ベッドで寝ています。
そーっと性器をさすりました。すぐに硬くなり柄パンを押し上げました。
柄パンの足の部位から手を入れて、彼のパンツを膨らませている硬い陰茎と
ボールのように丸くなった陰嚢を撫でました。
彼の亀頭は張りつめていまず。
その鈴口から潤滑油のような液体が流れ始めました。
指に塗って僕は舐めました。僕の愛液と同じ味、しょっぱいのです。
愛情が破裂しそうです。
僕は左手で彼の性器を愛撫し、右手で自分の性器をしごきました。
思いもよらず、僕は急に射精をしてしまいました。
僕の精液は彼のサンダルを濡らしました。
やや理性的になった僕は、彼の美しい唇に接吻をしました。舌も少し挿入しました。
そして、僕の精液を少しだけ指につけて彼の唇を撫でました。
もう一度パンツの中に手を入れて、彼の陰毛の毛並みを感じとりました。
熟睡している彼に、僕は、愛しているよ、あきら・・と囁きました。
彼のパンツは山のように起立したままです。
彼の濡れたサンダルをティシューで拭き取り、僕は全裸のまま就寝しました。

翌朝、彼が起きた気配を感じて僕も目が覚めましたが、寝たふりをしました。
掛け布団をすべて蹴りだして、全裸で陰茎を起立させて、あきら君に見せつけるように眠ったフリをして、性器を見せつけました。
あきら君は、寝たふりの僕を少し見て、布団を性器にかけてくれました。
そのとき、彼の指が僕の亀頭を撫でました。陰茎がビクンとしました。

・・・これ以上の進展はありませんでした。
僕も寝たふりをやめて、全裸であきら君の前に立ち、2年間ありがとうね、
と最後の挨拶をしました。
彼は、友達のいない自分を大事にしてくれて嬉しかった、最後の撮影もすごく嬉しい、と言ってくれました。
 

いよいよ別れる時、彼は僕に笑いながら言いました。

あきら:昨晩、何かしました?
僕:(笑)想像に任せます。これで最後だから言っちゃうけど、あきらの事、
  好きだよ。
あきら:・・ウン。あと1年同居できたら、理解できたかも知れない・・
僕:抱いていいか?
あきら:うん

全裸で勃起している僕が、着衣の彼を抱きました。
僕の性器が彼のズボンに密着します。
彼の息が少し高揚していました。
彼の両手は、僕の腰を抱きました。

でも、これですべてです。
これ以上の事は無く、すべては雲散霧散、消え去りました。

僕は、訳があって最後の退寮者になります。あと数日、この寮でたった一人に
なります。
あきら君が去っても僕は全裸のまま。全裸で廊下を歩きました。
1日、いったい何回の自慰・射精をしたことか。場所と時間の制約も無い天国でした。
射精するたびに、あきら・・愛している、と呟きました。

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その後、数年は年賀状等の交信はありましたが、彼に異性の恋人でもできたのか、ある時からぱったりと、意味有り気な音信不通状態になりました。

あれから40年が経ちました。
なぜかとても美しい想い出の一つになっていて、記憶も鮮明なままです。
彼の形の良い亀頭の手触りはいまだに忘れる事はありません。

今、僕は関東に住んでいてある男性と交際していますが、
彼はあきら君と同じ蟹座の男性です。
40年前のあきら君と、今の彼は表層的な雰囲気がそっくりなのです。
不思議です。
40年前に無しえなかった男性同士の美しい愛の交歓が、今実現しています。

めぐりあわせかも知れませんね・・・まさかあきら君に何かがあり、
今、僕の目の前で眠っている男性は生まれ代わり?・・
そんな馬鹿な思いが時々ありました。

僕は、前世で定められた(あるいは約束した)宿世の縁を信じています。
運命に抗わず定められた縁で、愛と歓びに浸っているような気がします。
僕・あきら君・今の交際相手との出逢いは、前世からの約束事だったのです。
僕と彼らが現世で滅しても、また男性同士として逢う事に決められて
いるのです。
現在の彼とは、逢うたびに、互いの体液と血液を飲み、来世も逢える事の約束を重ねています。

                             おしまい
                                          
        (光の頃、そして稲荷台の頃に続かせたい)
24/09/01 02:21更新 / REN♂

■作者メッセージ
遠い昔の実話です

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